双六岳〜鷲羽岳
(2132m)
【 地 域 】北アルプス
【 天 候 】晴れ
【 季 節 】秋
【 山行 形式 】小屋泊り
【 入 浴 】平湯温泉

【 交 通 】
行き 新宿都庁(23:00)〜新穂高温泉(06:20) 9,100円
帰り 新穂高温泉(12:56)〜平湯温泉(13:28) 890円
平湯温泉(14:30)〜新宿駅(19:00) 5,860円

【 コース 】
 タイム  【1日目】7時間5分
新穂高温泉〜(0:45)〜笠新道登山口〜(0:20)〜わさび平小屋〜(0:20)〜小池新道登山口〜(1:10)〜秩父沢出合〜(1:15)〜シシウドが原〜(1:00)〜鏡平山荘〜(1:00)〜弓折乗越〜(1:00)〜双六小屋
 【2日目】8時間15分
双六小屋〜(1:00)〜双六岳〜(1:25)〜三俣蓮華岳〜(0:40)〜三俣山荘〜(1:20)〜鷲羽岳〜(0:50)〜三俣山荘〜(0:50)〜三俣蓮華岳分岐〜(1:40)〜双六小屋
【3日目】5時間20分
双六小屋〜(1:05)〜弓折乗越〜(0:40)〜鏡平小屋〜(0:40)〜シシウドが原〜(0:50)〜秩父沢出合〜(0:40)〜小池新道登山口〜(0:20)〜わさび平小屋〜(0:15)〜笠新道登山口〜(0:45)〜新穂高温泉
 リアル  【1日目】
新穂高温泉(5:40)〜笠新道登山口(6:20)〜わさび平小屋(6:50)〜小池新道登山口(7:30)〜秩父沢出合(8:20)〜シシウドが原(9:35)〜鏡平山荘(10:50)〜弓折乗越(12:20)〜双六小屋(13:30)
 【2日目】
双六小屋(5:30)〜双六岳(7:10)〜三俣蓮華岳(8:40)〜三俣山荘(9:35)〜鷲羽岳(11:10)〜三俣山荘(12:35)〜三俣蓮華岳分岐(13:40)〜双六小屋(15:15
)
【3日目】
双六小屋(6:40)〜弓折乗越(7:40)〜鏡平小屋(8:30)〜シシウドが原(09:30)〜秩父沢出合(10:15)〜小池新道登山口(10:50)〜わさび平小屋(11:10)〜笠新道登山口(11:45)〜新穂高温泉(12:30)

【 水補給ポイント 】
・笠新道登山口
・わさび平小屋
・鏡平小屋(有料)
・双六岳
・三俣山荘(未確認)

【 食料補給ポイント 】
・夜行バスの立ち寄りサービスエリア
・各小屋

【 休憩ポイント 】
・シシウドが原(ベンチあり)
・双六岳山頂〜三俣蓮華岳

【 個人メモ 】
・双六小屋のお弁当は価値あり
・この季節、双六小屋には生ビールはない
・小屋泊りはお湯のサービスがあるか調べろ
・双六小屋は談話室でドコモ回線だけ繋がる


「9月の連休、どちらかは晴れるだろう」と3連休を2週続けて『秋休み』と宣言しておいたけれど、2週とも雨で「山へ行かないのに3連休してもしょうがない」と2週とも水曜日は通常通り営業。

「もうこうなったら10月の連休週、もし晴れるならば水曜日は臨時休業して山へ行こう」



10日(月)・11日(火)・12日(水)、晴れマーク、キタァ〜〜

9月の秋休みは『劔岳』を予定していたけれど、降雪があったら嫌だったので『双六岳〜槍ヶ岳』に変更。

後で思えば、『劔岳』も『槍ヶ岳』もそんな標高は変わらないので変えた意味が良くわからん。



何度も来ている新宿『都庁大型駐車場』から『新穂高温泉』行きのバスが発車。

ひと月前に1,000円以上安い、最後尾3席の内1席を予約でゲット。

けれど乗車客は10人程度で最後尾の他2席は誰もいなく、安く乗れてゆったりできて幸先良し。

けど熟睡できないのはいつものこと。





AM5:30頃、まだ暗い中、新穂高温泉に到着。

もう何度目だろう、新穂高温泉に来たのは。

暗くても土地勘があるので『新穂高ロープウェイ乗場』に向かい、明るく成り始めるまでに準備を整えて、『左俣林道』の長い道のりを歩き始める。








『笠ヶ岳』の登山口を通り過ぎ、『わさび平小屋』で休憩して、『小池新道登山口』に到着したころには青空が広がっている。


6月の『会津駒ケ岳』以来の山登り、筋トレで足を鍛えてはきたけれど、やはり林道歩きとは違い、登りはなんとなく足の動きが悪い。

たいてい始まりはいつもそんなんで、だんだん調子が上がっていく・・・そんなはずなんだけれど・・・

息が上がり、後から来る人に道を譲ることが多く、

「もう俺も年なんだなぁ」

まぁそれもあるが、やはり体重が増えたのが原因だろうなぁ。

1人でお店をすることになり仕事終わりが遅くなり始め、お風呂入って晩酌して夕飯食べてすぐに寝る。

そんな生活を続けて2年、体重が5kg増えちゃった。

腹も醜いくらい出てるし。

登りに苦しみながら、絶対体重を戻してやると決意。

でもなんだかんだでコースタイム通りには歩けている。




世間は『体育の日』との3連休最終日、『鏡平小屋』には大勢の登山者が休憩中。

さすが祝日、山登りブームもあって若い子らがたくさんいて賑やかだ。



槍ヶ岳が姿を現し、明日歩く予定の『西鎌尾根』の稜線も見え、今度こそ青空の下で歩けることを願いながら、騒がしい小屋を後に。










鏡平小屋から『弓折岳』への分岐までは、槍ヶ岳を中心とした北アルプスの眺めと、上から見下ろすようになる鏡平小屋との景色がなかなか良いのだが、だんだんと『槍ヶ岳』に雲がかかりだしてくるのは、翌日、翌々日と天候が大荒れした2年前と同じパターン、なんだか明日の天候が心配になってくるなぁ。










弓折岳との分岐で尾根にたどり着き、軽いアップダウンを繰り返し、夏ならば花が咲いているであろうお花畑を通り過ぎれば、青空の下で立派な姿を現す『鷲羽岳』をバックにした『双六小屋』が見えてくる。



「なんだろう?」

この景色を見て無性に鷲羽岳へ登りたい気持ちが高まる。

「槍ヶ岳への思いは前回の展望のない山頂に立って一区切りつけたんだっけ」

「今回、鷲羽岳へ登れば鷲羽岳への思いがなくなり、『折立』から『黒部五郎岳』へ経由して来れるなぁ、日にちがあれば西鎌尾根から槍ヶ岳へ行けるし」

「今回、鷲羽岳へ登っちゃう?」

双六小屋に着くまでに鷲羽岳へ登るか?槍ヶ岳へ向かうか?に悩みに悩み、

「あぁ〜やっぱり4日間休み取れば良かったなぁ〜」と後悔。

14時頃では吹く風が冷たい、双六小屋前の外テーブルに人は少なく、いつも来ていた夏の雰囲気とはまったく違い、もうそろそろ静かな山のシーズン到来を感じる。



双六小屋で宿泊手続きをすると
「明日の予定は?」と聞かれる。

えぇい、鷲羽岳往復だ。

「鷲羽岳往復なら朝6時には出発した方が良いですよ」とアドバイスされるが、

「そう?コースタイムで見れば朝7時出発でも間に合うのになぁ」

気が変わって槍ヶ岳へ向かうことにするかもしれないからと、1泊での手続きで朝飯なしの夕食+弁当付。

今日は空いているとのことで、8人部屋を4人とゆったり。







夕食時間は17時。

『天ぷらの盛り合わせ』と『おでん』というボリューム満点のおかずに、2時間前に食べてしまったカップラーメンを後悔。

それにしても座敷での食事は疲れた足にはつらく、椅子席が恋しい。

少ない宿泊者のおかげで、夕食後の暖房の効いた談話室でのんびりとしながら寝酒をちびちび飲み、消灯の21時には就寝。

明日は晴れますように。







同室者が朝4時30分ころに部屋を出て行ったのに目が覚め、

「今から準備すれば朝5時30分には出発できるな」

と、起きて朝食の準備をしている途中で外に出て空を見れば星が輝いている。

「良し、晴れてる」。

皆が朝5時30分の朝食を食べている間に鷲羽岳へ向かう決意と準備を整え、連泊の受付を済ませ、必要ない荷物を預けておいて鷲羽岳へ向かう。






まずはこの山登りでの一番の目的、双六岳からの北アルプスの眺め。

余計な荷物がなくなり、ザックが昨日より軽くなったおかげで昨日よりも足が軽い。

途中で振り返っても槍ヶ岳はまだ尾根に隠れていて見えないが、山頂に近づくにつれ槍ヶ岳を中心とした北アルプスの山並みが見えてくる。


まだシルエットだけで山の表情は見えないけれど、山肌を流れていく朝もやが何とも言えない雰囲気をかもしだしている。

楕円形に広がった双六岳の山頂付近は振り返れば、まるで月面に立ち、もっとも近づいている地球を眺めているような展望。


もちろん月に行ったことがないので、なにかの写真で見たのに似ている。

「これが見たかったんだ」

20年前に見て感動した景色を、3度目の挑戦で再び見ることができた。

残念ながら山肌はまだ陽を浴びてないので暗く、本当に見たかった景色ではないけれど、3度目の挑戦でこの景色を見られたことに大満足。

ピストンなので帰りもまだ青空ならば『巻き道』を通らないで、再び山頂に登って見に来よう。











双六岳山頂からは山頂に隠れて見えなかった黒部五郎岳が、陽に照らされ綺麗に見える。


晴れている黒部五郎岳から双六岳のルートをもう一度歩いてみたい、前回は雨だったので。









『三俣蓮華岳』への尾根歩きは快適。

振り返ればこれまで歩いてきた尾根上に線として描かれている登山道が長く続き、ぐるっと一周見回せば、ぴょこんと頭を出した笠ヶ岳、鋭い穂先の槍ヶ岳、黒部五郎岳のカール、まさに鷲が羽を広げて止まっているような鷲羽岳、そして草紅葉の黄色、ハイマツの緑、岩肌の白で色付いた山肌、そして青空と白い雲。


シャッターを押す指が止まらない。

いつか『写真を撮ることを目的とした山』として、この尾根筋で三脚を構えてじっくりと腰を据えて写真を撮りに来たいなぁ。

きっと実現することはないと思うが。


ハイマツ帯を抜けると、鷲羽岳とハイマツに囲まれた赤い屋根の『三俣山荘』が見えてくる。



鷲羽岳山頂へまっすぐと伸びているように見える登山道、あれを見ればきつい登りだということは一目瞭然。

登り1時間30分、下り1時間、コースタイムからもきつさは確実。

前回、これを見て登らずに諦めたのも納得だ。

しかし後悔の念を抱き再びここにやってきた。

今回は登ってやるぞ。






三俣山荘も繁盛期を過ぎたからであろう、大工さんが小屋前で作業をしていて、ちょっと騒がしい。

前を歩いていた2人が三俣山荘の名物であるレストランに入ったので

「俺もレストランで食事とコーヒーでも」

と思ったが、双六小屋で弁当買ってきたし、サイフォンで入れるレストランのコーヒーは、前回頼んだ時に思いのほか時間がかかったのを思い出し、小屋前のテーブルでお弁当を素早く半分食べて出発。


傾斜がきつくなってくる分、高度を稼ぎ、三俣山荘が眼下に小さくなってくる。

さすがに10月、高くなるにつれ山肌を抜ける風は冷たく、フリースの耳まで隠れる帽子をかぶり、ひたすらに上を目指す。

先も後ろも誰もいない1人ぼっち、うれし過ぎる。

これを味わったら人が多い8月のアルプスは登りたくないなぁ。











『雲ノ平』からの『黒部川源流』へ下る、長い登山道全体が見えてきた。

「あぁ〜、あれを下ったら三俣山荘への2時間、登りが続くんだよなぁ」と20年前に山登りを思い出す。

けれど、手を使わないと登れないほどの岩場の急斜面なので四つ足状態になり、それほど辛くはなかったんだけれど、ほんとうに2時間登りっぱなしで展望もないから退屈な登り。

「また登るか?」と聞かれたら「はい」と言える根性はもうないかも。












下から見えた一番上が山頂だろうと思うが、こう言ったパターンはその見えない奥に山頂があると言うセオリー通り、10分ほど歩いたところにある山頂に到着。










「あっ、『富士山』が見える。」

「あれは『南アルプス』?あれは『八ヶ岳』かな?」










しばらく誰もいない展望を楽しんでいたら、三俣山荘までは前を歩いていてレストランに入っていった女性が山頂にたどり着いた。

だいぶ上まで登った時、先ほどの2人の内の1人のどちらかが登り始めたな、と見えていたけれど、もう山頂に着いたとは。





まだ若い女性だけれど、単独で双六小屋にテント泊と言っていたし、健脚だからだいぶ山慣れた女性だろう。

山頂には2人しかいないので、お互いに記念写真を撮りあい、お先に山頂を後にする。











これでこの登山での目的は全部クリアだ。

青空の下、静かな山登りを満喫。

これで明日も晴れれば最高の秋休みだ。



「あっ、しまった、忘れた」

だいぶ下ってから思い出した。

ここまで双六岳、三俣蓮華岳の各山頂に父親の散骨をしてきた。

もちろん鷲羽岳でも山頂で散骨するつもりだった。

再び山頂へ戻れるほどの近さではないし・・・

「えぇい、ここで勘弁してくれ」

鷲羽岳の中腹で、粉々に砕いた遺骨を鷲羽岳に吹く風に乗せて合掌。




下りは奥深い北アルプスの景色を眺めながら、足にも精神的にも下りのほうがきついんだけど、1時間の下りは登りほどつらく感じずに三俣山荘に到着し、お弁当の残り半分をたいらげて出発。


「おっ、あの女性も下り始めたな」

再び、三俣蓮華岳に登り双六岳山頂に向かうか?、巻き道を歩き双六岳を登らずに小屋へ戻るか?の分岐に到着。

槍ヶ岳には霧が巻いしまっているのでここからでも見えず、双六岳山頂に登っても朝のような展望はないだろう。

ちょうど昨日の弓折岳分岐に居た頃と同じ時間、この季節、この時間は霧が沸き始める時間なんだろう。

双六岳山頂からの北アルプスの眺めは諦め、巻き道を選択して小屋へ戻る。









「うわぁ、もう追いつかれた」

巻き道を歩いている途中で振り向いたら、あの女性が先ほどの分岐に着いたのが見えた。

そのまま休憩はせず三俣蓮華岳山頂へ向かう登山道を登って行った。

「やっぱ健脚だわ」








この巻き道は過去2回ほど歩いたけれどまったく記憶になく、最後のつらさに

「そう言えばこの巻き道、最後はきついんだよ」と思い出す。



双六小屋に着いたのは15時ちょっと過ぎ。

「あれ?コースタイム通りに歩けたのにけっこう時間かかったな?」

小屋の人のアドバイス通り6時頃に出発して正解だった。

7時出発だったら16時過ぎて、夕飯の17時までせわしなかったかも。

連泊の人は夕食メニューを替えてくれて、1人だけ連泊の自分は、『からあげ』と『なすのおひたし』

なすが食べられるようになれて良かった。


この日はWカップ予選『日本VSオーストラリア』戦が18時頃から始まり、夕食後に談話室で寝酒をちびちび飲みながら、消灯時間21時までには終了したので最後まで見ることができた。

ちなみに結果は1対1のドロー。

2泊目は1段に2人づつの2段部屋2つの8人部屋に1段に1人使用の4人。

空いている小屋ほど快適なものはないと実感。



明日の為にザックへ荷を詰め直していると。

「あれ?レインウェアのズボンがない?」

何度探してもない。

「もしかして前日の部屋に忘れたかも?」

今朝、連泊の手続したとき

「部屋は掃除をするので持っていかない荷物はまとめて階段の下へ置いてください」と言われたので、

「掃除したときに見つけてくれたかも?」と受付へ忘れ物はないかと聞きに行くと

「なにも届られてない」

「え?もしかして持ってくるのを忘れた?」

急にこの2日間、「もし雨が降ってたら?」と考えると心臓がドキドキしてきた。

そして「明日起きて雨降ってたら?」と考えるとさらにドキドキ。

なかなか寝付けなかった。

家に戻ったらズボンはあった。

やはりベッドの下に。これでガスコンロと2回目。ベッドの下は気を付けなきゃ









翌朝、朝の双六岳は昨日見たのでのんびり。

恐る恐る外を見ると昨日と同じ快晴だ。

雨は降らないだろうと一安心。。










できれば10時くらいに双六岳山頂に登って槍ヶ岳の山肌がくっきりと見える北アルプスの写真を撮りたかったけれど、帰りの下山時間を考えるとそれは断念。

いつになるかわからないが、黒部五郎岳からの縦走時の楽しみの為に取っておこうと、下山開始。







槍ヶ岳が見える稜線に出ると、今日も槍ヶ岳を中心とした山並みが朝の澄んだ空気の中、綺麗に見える。

「確かこの辺で笠ヶ岳が綺麗に見える場所があったなぁ」と歩いていると、探せないまま弓折岳との分岐に到着。











朝の澄んだ空気に北アルプスと鏡平小屋と小屋へ続く登山道が絵になる。
行きの登りはけっこう苦労したけれど、下りは荷の重さになれたせいか、感覚としては「あっ」という間に鏡平小屋に到着。


朝早い時間と言いうこともあるだろうが、2日前と違いシ〜〜ンと静まり返った小屋前のテラス。

「これが平日だよなぁ」

今回の山は『大人を実感する山登り』でもある。

小屋で食事しちゃうよ。

まだ早い時間なので麺類はできないとのことでカレーライスを注文。

「小屋でお金を使ってご飯を食べる」なんて贅沢をしてる、なんて大人になったんだろう。



最近読んだ山の小説で主人公が、

「小屋泊り、小屋食というのは一種のステータスなんだ。財力にモノを言わせて安楽を買う」

「金を払って小屋で暮らしている大人たちの姿には一種の憧れを抱いていた」

テント泊はザックは重いし、食事もそれほど豪華にはできない(重い思いを覚悟すればできるが)など辛い部分もあるが、全部自分の力でやりきったと言う充実感と、なんとなく一回りたくましくなれた感で満足感が大きいが、『安く行ける』これが大きく占める部分もある。

テント泊での自由さ、気楽さ、確実なスペースなど、テント泊の良い面だけしか考えずにして山に入るが、『小屋泊』に羨ましさを持っていたのはある。

それなりの年齢になり、それなりに稼ぎがあり、もうそろそろ『財力にモノを言わせて安楽を買う』山登りをしても・・・



小屋で食事をしていると弓折岳分岐までの尾根で追い抜かれた、昨日、鷲羽岳でいっしょになった女性が鏡平小屋を通り過ぎた・

「どこか寄り道したの?」

「弓折岳登ってきました」

しまった、忘れてた。

そうだった、前回に見た笠ヶ岳が綺麗に見える場所は弓折岳の山頂だった。

分岐から15分ほどで往復できるから、前回はそこから見た笠ヶ岳が綺麗だったんだ。

すっかり忘れてた。かと言って登り返して戻るのも・・・あきらめ。



鏡平山荘を過ぎれば、槍ヶ岳らの北アルプスの眺めともおさらば。

20年前、初めてのテント泊4日間で疲れ切った足での最終日はこの小池新道の下り、

「こんなきつい下りをもう2度と歩くことはないだろう」と思っていた小池新道を、その後、登りに2度、下りに3度も歩くとは思ってなかった。

けれど慣れたのか?まだまだ『重太郎新道』での下りに比べたら楽だと思う、退屈な林道歩きがなければ・・・

平湯温泉で湯に浸かり、帰りもガラガラな高速バスに乗って帰京。



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