奥穂高岳/北穂高岳
(標高3190m)            (標高3106m)
【 地 域 】北アルプス
【 天 候 】1日目/晴れ
       2日目/晴れ一時雨
       3日目/晴れ
       4日目/晴れ
【 季 節 】夏
【 山行 形式 】涸沢テント場
【 入 浴 】さわんど温泉/梓湖畔の湯

【 交 通 】
行き 車〜沢渡岩見平駐車場〜上高地バスターミナル
帰り 上高地バスターミナル〜沢渡岩見平駐車場〜車

【 コース 】
1日目 上高地BT〜(1:00)〜明神〜(1:00)〜徳沢〜(1:10)〜横尾〜(1:20)〜本谷橋〜(1:40)〜涸沢
リアル 上高地(6:00)〜明神(7:00)〜徳沢(8:15)〜横尾(9:30)〜本谷橋(11:30)〜涸沢(13:10
2日目 涸沢〜(2:30)〜穂高岳山荘〜(0:50)〜奥穂高岳〜(0:30)〜穂高岳山荘〜(1:30)〜涸沢小屋
リアル 涸沢(7:00)〜穂高岳山荘(9:50)〜奥穂高岳(11:10)〜穂高岳山荘(12:20)〜涸沢小屋(15:20)
3日目 涸沢〜(3:00)〜北穂高岳〜(1:40)〜涸沢小屋
リアル 涸沢(7:10)〜北穂高岳(11:00)〜涸沢小屋(15:00)
4日目 涸沢〜(1:10)〜本谷橋〜(0:50)〜横尾〜(1:10)〜徳沢〜(1:00)〜明神〜(1:00)〜涸沢
リアル 涸沢(8:30)〜本谷橋(10:10)〜横尾(11:25)〜徳沢(12:30)〜明神(13:50)〜上高地BT(15:00)


【 水補給ポイント 】
・上高地バスターミナル
・徳沢
・横尾
・涸沢ヒュッテ
・涸沢小屋
・涸沢小屋から北穂高岳への登りが始まる5分程度の所に水場


【 食料補給ポイント 】
・上高地バスターミナル
・明神
・徳沢
・横尾
・本谷橋
・涸沢ヒュッテ
・涸沢小屋
・穂高岳山荘
・北穂高小屋


【 休憩ポイント 】
・明神
・徳沢
・横尾
・本谷橋
・ザイテングラード取り付き
・穂高岳山荘
・奥穂高岳山頂
・梯子場を登り終えた所
・北穂高岳山頂
・北穂高小屋



【 個人メモ 】
・おっちゃんに追いつかれた場所から先に良い休憩場
・『梓湖畔の湯』に車を止めて帰りに入浴すれば駐車料金が割引
・3人で車で行けば交通費6000円程度で済む



【1日目】
今年も来た!夏休み登山。
天気予報では4日間雨マークなし。
しかし去年の事もあるので100%信じてはいないが・・・

今回は相棒と相棒の彼女と俺とで3人グループ。
3人揃えば車で行けば安い!ということで、ペーパーの俺以外2人に運転を任せ、日曜夜に迎えに来てもらい出発。

Uターンラッシュとなった上り車線の渋滞を横目に、『沢渡(さわんど)』まで渋滞知らずに到着。
約3時間程度の仮眠後、朝一番の低公害バスに乗って『上高地』に到着。

相変わらず朝が早いながらも、バスターミナルや『河童橋』には観光客や登山者で大賑わい。

「小梨平キャンプ場に一度は泊まってみたいなぁ〜」
「おっ、前穂高岳が見える」
「屏風岩をクライミングしている人はいないかな?」


などと『明神』『徳沢』『横尾』を適度に休憩しながら通り過ぎ、『本谷橋』に辿り着く10分程手前の登山道で、うちら3人の5メートルくらい前を、下に流れている沢から駆け上ってきた黒い物体が横切り、山へ駆け登って行った。


「熊だ!」


うちらに気づいて慌てて駆け抜けていったのか?、一瞬だったので最後尾から見た俺は小熊かと思っていたが、前にいた相棒らはけっこうな大きな熊だと。
その場所から後退し、しばらく手をパンパン叩きながら様子見。
山登り20年くらいしているが、熊を見たのは初めてだ。
足早にその場を離れて、ちょっとドキドキしながら『本谷橋』に到着。

日陰になる場所があまりなく、陽に照らされ暑いのは暑いが、冷たい沢の水を通り過ぎた風が涼しく気持ちいい場所。
なぜかここに来るたびに「果物持ってくれば良かった」といつも思う。
沢の水で冷やして桃か梨かブドウの果汁がうまいだろうな。

『本谷橋』から山登りらしい登山道が始まり、食べ物がいっぱい詰まったザックの重さが、肩や腰に負担をかけ始める。
展望が望めないこの道、紅葉時ならばこの道も紅葉し目を楽しませてくれるが、夏はただ『涸沢』を目指すだけ。
前回は紅葉時にこの道を相棒と来たとき、休憩にちょうど良いと思った場所が他の登山者であふれていて休憩できなく、今回はそこを休憩場所にしようと、『本谷橋』から1時間程度歩いた頃で場所を探りながら登っていたが、前回の八ヶ岳の時と同じよう記憶があいまい。


「ここじゃなかったっけ?」
「いや、もうちょっと先でしょう?」
「・・・・・」
「ないなぁ〜、やっぱさっきの所だったんだよ」


結局適当な所で休憩してしまい、そこからちょっと進んだ所に記憶を呼び覚ます休憩場の登場。

・・・・・


沢が近づき雪渓が見えたら『涸沢ヒュッテ』はすぐ。

テントを張って寝床を準備し整理ができたら乾杯・・・との予定だったが、喉の疼きに勝てず『涸沢ヒュッテ』のテラスに着いてすぐに生ビールで乾杯。


う〜ん、至福の時


2つのテントを並べられる場所にテントを張り、寝床の準備も終えて夕食タイム。
昨今の山登りテーマ「食を充実させる山登り」の名に恥じぬ今回の夏休み登山。


【1日目の夕食】
●鰻丼/うなぎ+FD白米
●キャベツのうま塩炒め(自担)/キャベツ+キャベツのうま塩炒めの素
●焼きウィンナー/定番おつまみ



夕食を終えてすることのなくなったPM7:00頃、いつのまにか寝ていた。
今回はいつもの目が覚めてはうとうととはならず、きっちりと熟睡し気がつけばAM2:00頃。
長い夜は寝酒をちびちびしながらスマホの映画を見て、PM9:00頃に寝る予定だったのだが、やっぱり車中での3時間程度の仮眠だけでは足りなかったという事か。
1人でテントということもあり、シュラフに潜ったまま頭だけをテントの外に出すと空には満点の星空。
山に来たら御来光よりも星空を眺めるのが楽しみだ。



【2日目】
夜の星空が証明するように朝から快晴。
AM5:00くらいからテント場が騒ぎ始め、テントをたたみ次の山へ向かう人、軽身で『奥穂高岳』や『北穂高岳』へ向かう人らが行動を始める。
一昔前はAM6:00には出発していたけど、今ではすっかりとぬるくなってしまい、PM7:00軽身で『奥穂高岳』へ向けて出発。

お花畑で癒され、雪渓を横切り、『ザイテングラード』で苦しみ、と前回『奥穂高岳』へ登ったときと変わりはないが、2日目&軽身ということで、『ザイテングラード』が前回ほどの苦しさは感じず、余裕を持って『穂高岳山荘』に到着。

相変わらず小屋からの最初の登りは垂直の壁だ。
小屋から見ればちょっと不安になるが、実際に取り付いてみれば、反対に楽しいと思える壁登りだ。
山には霧が多少かかり始めて来ていて、前回に他の登山者がこぼした名文句「第3位の山に登って1・2位の山を眺められるなんて幸せだね」の言葉を今回も味わえるかと楽しみにしていると、『吊尾根』越しにまずは『富士山』が見えた。

1位ゲット!

2位の『北岳』は雲に隠れて見えず2位ゲットならず。
しかし振り返れば、後ろには『北穂高岳』『槍ヶ岳』、こちら側は雲がかからず視界良好。

ガレ場を登りきり、祠が建つ『奥穂高岳』山頂に到着。
記念写真を撮り終え、小広い場所でのランチタイムは前回好評だったサンドイッチ。
今回は耳なしのサンドイッチ用パンにハムとレタスやトマトを挟んでサンドイッチ。
このタイプのパンではプチトマトが食べにくい食材なので、プチトマトじゃないトマトの方がいいな。
ランチしている間にもけっこうな人数が『ジャンダルム』を超えている姿が見える。
『ジャンダルム』を超えればけっこうな「箔」がつくだろうが挑戦する気なし。

『穂高岳山荘』に辿り着いても、前回同様今回も『涸沢岳』は登らずに断念。

ただ単にめんどくさいからかな。

でも下山して気づいたが、『涸沢岳』は日本の山で8番目に高い山、それも『北穂高岳』よりも高い山だったんだね。
百名山には興味なくても「日本の高い山ベストテン」は制覇してみたいかな。

『ザイテングラード』を下り、『涸沢小屋』への登山道へ入る手前で空からポツポツと雨が降り出してきた。
ずっとぶら下げていた一眼カメラ『K-30』、これはカメラ・レンズ共簡易防滴なので、多少の雨なら濡れても大丈夫。
本格的に雨が降り、雨具を取り出すためにザックを下ろすまでカメラをぶら下げていられるのは、無駄な時間を使わないで済むのでありがたい。
山特有の変わりやすい天気だったようで、『涸沢小屋』に着いてしばらくすれば、雨がやんで青空が広がり始めてきた。

2日目は『涸沢小屋』の生ビールで乾杯。
テラスから見るテント場のテント数が、だいぶ減ったのがわかる。


【2日目の夕食】
●角煮/豚の角煮+FD白米
●チーズフォンデュ/とろけるチーズ+白ワイン+フランスパン+ソーセージ
●海草サラダ(自担)/乾燥海草サラダ+レタスの残り



軽身でのピストンということもあり、それほど疲れはなく、夜のテントの中では明日のランチの準備。
今夜は予定通り、焼酎をチビチビ飲みながら、スマホの映画を見てPM9:00に就寝。

2夜連続満点の星空。
【3日目】
本日も快晴。
今日も軽身で『北穂高岳』を目指す。
出発前に『涸沢ヒュッテ』のトイレを利用したさい、小屋の従業員だろう、空を見て「秋だなぁ〜秋だなぁ〜」とつぶやいている。
空を見れば秋雲らしき「うろこ雲」が広がっていて、確かに「秋だなぁ〜」、風も多少涼しくなった気も。
ちょうど季節の変わり目に遭遇したのだろうか。

『北穂高岳』山頂へは、最初からガレ場や岩登りの急登の登山道。
14年前に来たときの記憶は薄れ、梯子場と鎖場、「帰りは雪に降られたなぁ」くらいしか覚えてない。
登っている間にところどころ思い出すだろう。

『吊尾根』越しに『富士山』や南アルプスの山々が見え始めたころ、まだ記憶に残っている鎖場や梯子場が登場。
あれからいくつもの経験を積んだお陰か、14年前ほどの緊張感もなく通過。

梯子場を登り終えた所が休憩にちょうど良い広さと眺め。
左には昨日登った『穂高岳山荘』『奥穂高岳』、右には『北穂高岳北稜』と『北穂高小屋』が見え、結構な高さまで来たんだと感じられる。


前回も思ったテント泊する気が起きないテント場と、南稜へとの分岐を通り過ぎ、北稜への最後の登り。
小広い山頂からは、雲がかかり始めた『槍ヶ岳』と、『大キレット』の登山道が見える。
『北穂高小屋』の赤い屋根が見えていて、14年間前と変わらずの景色を思い出す。
前回来たときは小屋を閉める直前の10月、テラスは解体されていて「北穂高小屋のテラス」を味わえなかったが、今回はテラスの雰囲気を小屋の天水ドリップコーヒーと共にじっくりと味わう。



今日のランチは「お稲荷さん」
去年「黒部五郎岳」のとき初挑戦で作ったが、酢飯と甘い揚げが山で食べるにはGOOD。
山ランチ定番メニューに入ったが、今まで酢飯は「サトウのごはん」で作っていたが、今回は前夜に米を炊いてそれを酢飯に。


結果は失敗。


どうも米がうまく炊けず芯が残る、というか、生米臭さが残っているし、水が多すぎたかやわらかすぎた。
これで何度目かの米炊きだが、なかなかうまく米が炊けないなぁ〜。
チタンのコッヘルで炊くせいかコゲもできてしまい、コゲた米がまたまずい。
失敗作を相棒らにすすめるのも気が引けるので、1個だけ毒見してもらい、あとは全部自分で食べた。
まぁでもそれほど苦にならず全部食べられたのは、酢飯と揚げの甘さがカバーしてくれた。

昨日は『ジャンダルム』超えて来る人がけっこう居たが、ここでは『大キレット』超えをしてくる人が続々と。
小屋のはじから『大キレット』を見下ろすと、キレット超えをしている人の姿がたくさん見える。
『大キレット』くらいなら挑戦してみようと思う気はあるかな。

本日は雨に降られず、無事に『涸沢小屋』に到着し乾杯。


【3日目の夕食】
●キムチ鍋/キムチ鍋の素+キムチ+仙台麩+チーズ+卵+ソーセージ+野菜
●わかめと玉ねぎとシーチキンのマヨネーズ和え(自担)/乾燥わかめ+たまねぎ+シーチキン缶+マヨネーズ+ごま油
●ハムステーキ/つまみ


「わかめと玉ねぎとシーチキンのマヨネーズ和え」これは初挑戦だが、山飯定番メニュー決定になったほどうまい。

夏休み最後の夜も満点の星空だったが、PM7:00頃、『涸沢ヒュッテ』から『常念岳』方面に稲光が走り、里では見ることができないであろう天空ショーを見させてもらった。



【4日目】
本日も快晴。
とうとう4日間連続晴だった。

「パノラマコース」は通らないでピストンと言う事になり、夜露に濡れたフライシートやテントの底を充分に乾かしてから、テント場を後にする。
4日目ともなればザックは軽いと感じるのだけど、2日間軽身で登っていたせいで、すべてを詰め込んだザックが軽いとは感じない。
しかしそれがきついと感じるのは『本谷橋』までで、あとはほぼ平地を上高地まで。
『涸沢』までは初心者にちょうど良い山登りだと、あらためて感じた。

この週末に名物「涸沢フェスタ」があるせいか、これから『涸沢』へ向かうたくさんの登山者とすれ違う。
後から知ったが、うちらと同じ日にも芸能人やテレビ局も『涸沢ヒュッテ』にいたらしい。

来たとき熊と遭遇した『本谷橋』からの登山道ではちょっと緊張したが、順調に上高地に到着。

いやぁ〜すごい観光客の数だ。
お土産屋さんは1日にどれだけ売り上げがあるんだろう、と興味が出てくるほど『河童橋』は観光客であふれている。

『沢渡』の駐車場までは観光客と一緒のバスに乗るが、4日間汗まみれの体の臭さが自分でもわかるほど。
「隣に座った人は臭くて迷惑だろうなぁ」と思っていたが、バスのトランクに積んでもらえないでかいザックを、隣の席に置いても乗客全員が座っていけるように乗車人数を調節してもらえ、隣の人に気を使うことなく、車の置いてある『岩見平駐車場』に到着。

そこには道路の片車線を塞ぐようにして、後ろが凹んでガラスが散乱しているタクシーが。
タクシー3台の衝突事故。
乗っていたのは観光の帰路と思える乗客。
まさかこんなところで事故にあうとは思ってなかっただろうな。

到着した時が真っ暗で適当な場所に停めたので、明るくなって見渡せばその周辺に歩いて行けるような入浴施設がなかったので、あるところまで車で。
汗を流すのに利用した場所は『梓湖畔の湯』
前々回、1人で紅葉時に来たときここを利用したが、入浴後缶ビールを買って休憩場で飲んでいたら、おしんこをつまみに出してくれた自分にとっては好印象の入浴施設。
しかし今回は突然のポンプ故障か?男女とも入浴途中でカランからもすべての蛇口からもお湯が出なくなってしまい、湯船に溜まっている温泉のお湯で髪や体を洗うハメに。
かけ流しのお湯とはいえ、皆が浸かった湯船のお湯で流すのはなんかなぁ。
割引やドリンク1本サービスを期待したけどなにもなく、ビールは飲めないのでひさしぶりのコーラを購入し、入浴後の喉の渇きを潤す。

前回の『八ヶ岳』と今回の『涸沢』。
車での登山という、山を始めた頃には考えていなかったスタイル。
「お風呂に入ったあとビールが飲めない」とデメリットがあるけど、1人あたま6,000円程度の交通費と時間に縛られない自由さとメリットは大きい。





【北穂高岳1998年10月/リニューアル〜シーズン1から〜
*文章は当時のままで
交通 行き 新宿駅〜松本駅 \3,890(運賃)+\1,260(急行券)
松本駅〜新島々駅 \680
新島々駅〜上高地BT \2,050
     (松本駅から上高地BTまでの片道料金・往復料金あり)
帰り 新島々駅〜上高地BT
松本駅〜新島々駅
新宿駅〜松本駅
コース 1日目
上高地B・T〜明神館〜徳沢〜横尾〜本谷橋〜涸沢(14:00)
2日目 涸沢(07:50)〜北穂高岳(12:00)
3日目 北穂高岳(07:30)〜涸沢(11:30)〜本谷橋〜横尾〜徳沢〜明神館〜上高地B・T(16:00)
宿泊小屋 涸沢ヒュッテ 小屋の扉を開けるとストーブが炊いてあり、ジュースやビールの自動販売機や緑の公衆電話がおいてある。
通路を10メートルほど歩くと受け付けがある。
横にはお土産売り場。
寝床は6部屋。
食堂へ降りる階段のある所に、小さい喫煙所と山の本が置いてある。
食堂は広く40人くらいは座れる。
水やお湯の補給もできる。
宿泊者は10人程で一部屋、3人程でゆったりできた。
他に大学生のような団体さんが別館に泊まっている。
テント場には2張あった。


一緒の部屋になった71歳のおじさんがいた。
この人とは徳沢あたりから抜きつ抜かれつで、ここまで一緒になっていた。
聞けば自分と同じで翌日は北穂高岳へ向かい、北穂高小屋で泊まるそうだ。
それから槍ヶ岳へ向かうそうだ。

「もうおじさんも先が短いから、北穂高岳から槍ヶ岳への大キレットを越えてみるんだ。」と言っていた。
細身で髪を染めているが、フサフサなので71歳には見えない。
「元気なじいさんだな」と思った。

21:00消灯。

朝焼けを撮りに外に出ると、曇り空で朝焼けはないが、前穂高岳方面から太陽が出てくると、涸沢岳や北穂高岳がオレンジ色に染まる。
これがモルゲンロートというのだろうか。


食事 夕食/ご飯・じゃがいもの味噌汁・何かの肉・さば(魚)
    大根の煮物・ポテトサラダ・キャベツの千切り
    おしんこ・りんご一切・なし二切れ

朝食/ご飯・豆腐の味噌汁・さば(魚)・梅干し2個
    味付けのり・おしんこ・ワサビ漬け
参考 お弁当/幕の内弁当(なかなかよかった)

ビール(キリン)350ml/\550
        500ml/\750
北穂高小屋 北穂高岳山頂横に階段があり、そこを降り15秒ほどで北穂高小屋。
入り口前に槍ヶ岳が望めるテラスがあるが、ちょうど自分が来たときに解体が完了。
玄関の扉を開けると受け付けがあり、宿泊手続きをすます。

手続きをすますと小屋の人が封筒をくれた。
北穂高小屋ができて50周年だそうで、初代の小屋の主人が書いた山の絵が描かれている絵葉書が3枚とメッセージが入っていた。
お祝いで鏡割りをしたのだろう、酒樽がおいてあった。

一階は受け付けと食堂とキッチン。
急な階段を上り、中二階がありそこは板の間の部屋。
5段程階段を上り、右側が今回自分が寝たきれいな部屋。
左側が昔からあるような部屋。缶ビールを買って一休み。

夕食は18:30。

宿泊者は4名。
全員単独者で一人は涸沢ヒュッテで一緒になった71歳のおじさん。
食事の時間になるとクラシック音楽が流れてくる。

前日の台風のせいで久しぶりのお客さんだそうだ。
一品一品が「北ホ」とマークの入ったお皿に盛ってある。
小屋の人が「食べ終わってもお皿を重ねないように」と言っていたが、特注のお皿だから傷つけたくないのだろうか。
おいしかった。
小屋の主人が「もう小屋も終わりだから」と一人一人に缶ビールをサービスしてくれた。

50周年の記念品ももらえたし、ビールもサービスしてもらえたし、山小屋泊りも良いものだなと感じてしまった。
少し高いけど。

二日目の朝。

外は雪。
しかし例年と比べれば遅いそうだ。
雪が降るとは考えてなかったが、装備はバッチリ。
他の宿泊者達も不安なのだろう、朝食の時の空気が重い。
自分も不安だったのだろう、朝食のメニューをあまりおぼえていなく、確か、ご飯、味噌汁、目玉焼きにソーセージ、のり、果物、その他。

涸沢で一緒だったおじさんも槍ヶ岳へはあきらめて一緒に下山。


食事 夕食/ご飯・じゃがいもの味噌汁・何かの肉
   さば(魚)・大根の煮物・ポテトサラダ
   キャベツの千切り・おしんこ・りんご一切
   梨x2切れ

朝食/ご飯・豆腐の味噌汁・さば(魚)・梅干し2個
   味付けのり・おしんこ・ワサビ漬け
参考 一泊二食/\8,400
一泊一食/\7,300
素泊まり/\5,500

お弁当/幕の内弁当(なかなかよかった)
ビール(キリン) 350ml \550
       500ml \750
【1日目】
新宿からの急行アルプスはガラガラで、松本駅には登山者がチラホラ。
松本駅から新島々駅までの電車は登山者だけ。
新島々駅に着いたら早く精算口に行かないと、バスで座れないかも。
今回はすいていたので最後の方でも座れた。

トンネルは一方通行らしく、信号で規制している。
前日の台風のせいなのか、トンネルの外は水が滝のように流れている。
バスから見た大正池は、紅葉のせいなのか空気が黄色い。

バスターミナルで食事をしようと思ったが、まだ開店していなく売店でパンを買い、登山届けを出し出発。
河童橋の所は観光客がたくさんいるが、進むにしたがって減っていく。

明神館でおでん(600円)を食べる。
明神館でも宿泊できる。

徳沢はテント場があるが、誰も張っていない。
建物があるがシーンとしていて入る気になれず、外のベンチで休憩。
犬がうるさい。
水を補給。

横尾に避難小屋がある。
宿泊・テント場・食事もでき、涸沢と槍ヶ岳の分岐点。
槍ヶ岳方面へ一時間程登れば槍ヶ岳の穂先が見える。

本谷橋まではたいしたきつい登りもなく、観光気分の人も来ていたが、ここから先の登りを見て引き返していった。
紅葉はこのあたりが一番良かった。

涸沢ヒュッテまで残り20分程の登りがきつい。
小屋から出てるであろう煙をめざして登り続け、涸沢ヒュッテに到着。

ガイドブックで見たテラスでのビールを楽しみにしていたが、テラスはもう取り壊されていた。
もう外は寒いので当然なのだろうがガッカリ。
紅葉もない。


【2日目】
北穂高岳へ向かう。
涸沢小屋を過ぎれば岩場の登り。
両手を使いゆっくり登る。
「落ちたら重体か即死だろうな」と思うような登り。
これを帰りは下らなければいけないと思うと不安。

途中雷鳥を発見。
雷鳥は天気が下り坂のとき姿を見ると何かに書いてあったような覚えがあるが。
空を見れば雲が小さくちぎれている。
これも天気の下り坂の兆候だという覚えがあるが。

鎖場、ハシゴ場は慎重に通過するがそれほど恐くもない。
テント場があったが「こんな所でテントを張る人がいるのだろうか」と思える所にあって驚いた。
一張場所ごとに区切られていて20張程張れる。
北穂高岳山頂へはもう一登りして到着。

結構広い。
そして360度のパノラマ。
はじめてみる槍ヶ岳と槍ヶ岳への登山道、水晶岳、野口五郎岳、双六岳、薬師岳、白山、浅間山、八ヶ岳連峰、富士山、甲斐駒が岳、北岳、仙丈が岳、南アルプス連峰、中央アルプス連峰など、時間が経つに連れて良く見えてくる。
北穂高小屋はすぐそこに建っている。
ここもテラスはない。


【3日目】
夜中トイレとともに、星空を期待して外に出て見ると雪が降っていた。
雷鳥やちぎれている雲は、やはり天気の下り坂の兆候だった。
しかし降りはそれほどでもないので、そのうちやむだろうと思い寝る。

しかし朝目覚めると一面銀世界。
他の人達もショック。
朝食時にみんなで一緒に降りることになり、にわかパーティーを組み出発。

登山道を示す岩に書いてある印は雪で埋もれていて見えなく、四人の登ってきたルートの記憶を出し合って降りて行く。
所々岩に書いてある印がわかる所があり、それを見つけては喜んでいた。
登っているとき帰りもここを下らなければならないのかと不安に思っていたが、雪のせいかクッションもきいていて降りやすい。

4時間かけて涸沢へ着き、涸沢小屋で一休み。
気持ちは余裕だったが体力を使ったのだろう、足のけいれんみたいな震えが止まらなかった。

横尾まではみんなで一緒に降りることになった。
涸沢からは雨に変わった。
横尾からは先を急ぐ人、食事をしていく人、横尾で泊まる人へと別れた。
自分は一休みして上高地バスターミナルへと急いだ。

横尾から上高地バスターミナルへ2時間で着く。
お風呂に入りたかったのでノンストップで歩いてきたが、結局風呂に入れなく、着替えだけして帰ってきた。



【感想】
今回はいろいろな経験をした中身の濃い3日間だった。
初めての3000メートル級の山、初めての小屋泊り、初めての雪山、なんとなく自分がレベルアップしたような感じがする。
こうしてだんだん高い山、危険な山に挑戦してみたくなってくるのだろうか。

明神館、徳沢、横尾と1時間ごとに休憩所や食事をするところもあり、山小屋なども要所要所にあってお金さえ持って行けばすべて足りるようなところだ。
確かに便利だし食事も出してもらえ、あたたかいふとんで寝られる。
でも今度はテント泊で挑戦してみたい。

結局、自分と一緒のルートとなった71歳のおじさんには驚いた。
特に北穂高岳から雪山を一緒に降りたが、身軽で跳ねるように歩いていた。
このおじさんなら槍ヶ岳へもいけるだろうと思う程だった。


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