南アルプスの女王「仙丈ヶ岳」
仙丈ヶ岳から小仙丈ヶ岳までは甲斐駒ケ岳、北岳、富士山、八ヶ岳などの山々を眺めながらの稜線漫歩。
2回目の仙丈ヶ岳になるけど何年かに1回は行きたい良い山
今回は仙丈小屋の親父さんのキャラが濃かったなぁ(笑)
【月   日】2008年07月21・22日
【天   気】1日目:晴れ時々ガス
【天   気】2日目:晴れ
【季   節】
【場   所】南アルプス
【標   高】仙丈ヶ岳 3033m
【山行形式】小屋素泊まり
【風   呂】仙流荘

【交通】
【行】新宿駅〜甲府駅
【行】甲府駅〜広河原
【行】広河原〜北沢峠
【帰】北沢峠〜仙流荘
【行】仙流荘〜新宿駅
【コース】
【1日目】北沢峠〜2・3・4・5合目〜藪沢小屋〜馬ノ背ヒュッテ〜仙丈小屋
【2日目】仙丈小屋〜仙丈ヶ岳〜小仙丈ヶ岳〜5・4・3・2合目〜北沢峠
【ベスト休憩場所】
・馬ノ背ヒュッテ
・仙丈小屋
・仙丈ヶ岳〜小仙丈ヶ岳の稜線
・小仙丈ガ岳山頂
【水補給】
・北沢峠
・馬ノ背ヒュッテ
・仙丈小屋
【食料補給】
・北沢峠
・馬ノ背ヒュッテ
・仙丈小屋
7月の第2週は仙丈ヶ岳(素泊まり)、第3週は五竜岳(テント泊)と決めておいたのだが、残念ながら仙丈ヶ岳は雨の予報があったので中止。
そして第3週、台風が発生したが本土上陸はなく、日本海側の遥か上を通過するようで、どうも五竜岳方面は台風の影響か天気予報で雨マークが発生。
青春18切符を使えるし、テント泊だしで安く行けるのが魅力だけど、やはり雨は嫌なので、先週行けなかった仙丈ヶ岳へ行くことにした。
日曜日が思いのほか忙しく、当初の予定通り五竜岳へ行くのだったら、新宿駅23:57発「ムーンライト信州」に乗れなかったかも知れない。
あぶないあぶない、こりゃ天も仙丈岳へ行けと言う事か(笑)

始発で相棒と合流し、甲府駅到着。
すでに広河原行きのバス停には30人ほど並んでいる。
いつのまにか料金は前払い制になっていて、バス代1,900円と環境なんたら金100円の計2,000円で広河原まで。
バス2台で出発。
相変わらず揺れる揺れる。
だんだん山深くへ入っていくが、残念ながらバスのスピーカーから流れるアナウンスが言うような景色は、上空が雲に覆われていて望めない。
「雨降るのかな〜、降らないかな〜」そんな事を考えながら広河原に到着。
あれ?アルペンプラザがなくなっている。
新築予定なのか、バラックみたいな小さな小屋が現在のアルペンプラザ。
以前は広河原で水補給ができたのに、水補給できる場所もなくなってしまった。

広河原から北沢峠までは約30分。
しかしそのバスが発車時刻まで、あと1時間30分程ここで足止めを食らう。
始発に乗ってくるパターンだと、いつもここで1時間位足止めを食らう。
バス会社が違うからなのか仲が悪いのか、もっと考えてくれたらいいのにね。
しかし本日20日は「海の日」の祝日と梅雨明け宣言がでたせいなのか、北沢峠へ行く登山者がけっこう待っている。
そのせいかなんと臨時便を出るとの事。
12時20分のバスより30分早い、11時45分発のバスが出る。
おぉ〜、ちゃんと臨機応変に対応するんだね。
しかしなんだろう、ここの運転手さん?職員さん?の態度の横柄さがなんか目に付く。
いくら説明してもわかってない登山者が多くて大変なのもわかるが、もう少しサービス精神を出しても良いと思うんだが。
運転免許センターの職員さんと同じ、いつも同じことばかりでだんだん横柄になっていくんだろな。
この臨時便のおかげで30分早く北沢峠に到着。

さすが3連休の最終日、北沢峠には帰りのバスを待っている登山者がたくさん。
にぎやかだぁ〜、平日登山者の俺にすごい新鮮。
前回来たときは「宿泊者以外水補給禁止」とケチ臭い事を書いてあった長衛荘の水場はそんな札がなくなっていた。

12時30分、北沢峠を出発。
2001年以来7年ぶり2回目の仙丈ヶ岳。
樹林帯の中、標高を稼ぐが途中「一合目」「二合目」など「五合目(大滝頭)」まで標識があり、それがちょとした目安になるので、なんか頑張れる。
ちょうど時間が重なったのか、下ってくる人と交差することが多く、先に道を譲る振りをしてちょくちょく休めるのが助かる(笑)
いやぁ〜しかし、久々の寝袋入りザック重いわ。
これを重くて辛く感じているようじゃ、当初の予定通り五竜岳へテント泊で行ったら死んでるよ。
小屋泊まりで良かった良かった(笑)

五合目(大滝頭)からは「藪沢小屋」を経由して「馬ノ背ヒュッテ」へ。
「藪沢小屋は営業してないなか?」と思ったけど営業してた。
「予約なしでも宿泊できます」と書いてあったけど、ここに泊まる人はいるのだろうか?















相棒が寝袋入りザックが初めてだったので「もし時間がかかるようなら馬ノ背ヒュッテで宿泊でもいいかな」と思っていたが、ある程度予定通りの時間で馬ノ背ヒュッテに到着。
前回見つけられなかった水場を見つけられ水補給。
小屋の前のベンチで、大きなハンディカメラを置いて話している若者2人が気になりながら小休止して出発。
TV局?
ちょっと急な斜面を頑張って登ればハイマツ帯の稜線に出る。
ガスが漂っているが、時々切れ間から今夜の宿「仙丈小屋」と仙丈岳の山頂が見える。
小屋までの登りはけっこう急な斜面できつい。
16時ちょっと過ぎに仙丈小屋到着。









すごい愛想の良い小屋の親父さん。
「寝具なし素泊まり」はうちら2名のみなせいか、自炊室はうちらの荷物置きっぱなしで良いとの事。
自炊室貸切だ(笑)

宿泊者は20名くらい居るみたいだが、団体さんは2階3階で寝るらしく、1階で寝るのはうちらを入れて9名。
けっこうゆったりとしたスペースで寝られる。

相棒はちょっとバテ気味だったので、さっそくビールで乾杯をしたかったが、回復するまで我慢。
結局相棒は飲む気がせず、相棒が担いで持ってきたビール2缶は俺1人で完飲。
小屋から少し離れている所にある水場の水がすごい冷たい。
手を洗い顔を洗うために手で水をすくっていると「あっ」と言うまに手がかじかんでしまうほど冷たい。
なので水が溜まるバケツにビールを入れておくと、15分くらいでキンキンに冷えた。

小屋の夕食は5時から。
うちらもその頃に夕食。
夕食はもちろん大好きなカレーライス。
貸切の自炊室で飲んだり食べたりしていると、小屋の親父さんが「おたくたちが一番いいよ」なんて事を言う。

「???」

「のんびりと食べられていいね」と言うことかな?

夕焼けは残念ながらガスに巻かれていてなし。
小屋の消灯時間は19:30、ちょっと早すぎないか?
この時間に寝るのはちょっときついので、小屋でビールを買って外で時間潰し。
でもすることがないので20時にはシュラフの中へ。

相変わらず山では浅い眠り。
ふっと「星が凄いよ」なんて言葉が耳に入ってきたのでトイレを兼ねてシュラフを抜け出し小屋の外へ。

う〜〜ん、あまり凄くない。
ガスに巻かれていて星空はぽかっと開いた空間に星空が広がっているくらいで満天の星空ではなかった。
時計を見るとまだ22時、う〜〜ん、夜が長い。
うつらうつら、ときどき夢を見ながら・・・、浅い眠りを繰り返していると小屋がざわつき始める。
日の出を見る人達が山頂へ出発する時間が来たようだ。
他の登山者は皆日の出を見るために山頂へ向かうようだが、うちら2人は行く気なし。
小屋の前から見られるなら行くかもしれないけど、山頂へ30分くらいかけて行くのはなぁ〜。
しかし寝ている人もいるんだから、もう少し静かに行動してほしいな。

だからといっていつまでも寝ては居られない。
うちら以外皆行ってしまったので、小屋の親父さんは布団を片付けたいらしい。
そんな雰囲気を感じたので5時に起床。

布団を片付けながら親父さんが話しかけてくるので相手をすると、うちらの仕事が床屋とわかると髪を刈って欲しいとの事。
今日、これからTV局の人が1週間この小屋に泊まって取材をするのだそうだ。
あぁ〜、昨日馬ノ背ヒュッテで見た人達だ。
髪が伸び放題なので、みっともないから刈ってほしいって。
朝食を済ませ、親父さんの手が空いたとき、ジャンケンに負けた相棒が担当。

自炊室で穴を開けたビニール袋から頭を出してカット。
もちろん道具は持ってきてないので、小屋にある家庭用の鋏と髪を梳かすブラシが道具。
相棒が器用にカットして、親父さんの耳周りがすっきり。
さっぱりしたねぇ。
小屋の奥さんにも喜ばれ、ポカリスウェットをいただき、コーヒーをごちそうしてもらった。
相棒には良い思い出になったようだ。















小屋の外はけっこう風が強かったけど、山頂へ向かう尾根に出ると風が弱い。
上空は雲ひとつない青空。
眼下には雲海が広がり、甲斐駒ケ岳、八ヶ岳、北アルプス、中央アルプスが雲海から頭を出している。

















そして仙丈ヶ岳山頂に到着すると今まで仙丈ヶ岳で見えてなかった向こう側、北岳、富士山が見える。
360度の大展望。
これらの景色を、小仙丈ヶ岳までのゆるやかな稜線上で、じっくりを堪能しながら巡る。


































小仙丈ヶ岳へ近づくにつれ、甲斐駒ヶ岳の花崗岩による白い山頂がはっきりと見えてくる。
これ見ると甲斐駒ヶ岳へもまたもう1回行きたくなるなぁ。

















時間はたっぷりあるので小仙丈ヶ岳でのんびりとしたかったが、相棒が「日差しが暑い」と言うので予定より早めに下山。
小仙丈ヶ岳から大滝頭まではけっこうな急斜面で、けっこうなガレ場の下り。

大滝頭からは昨日来た道を下る。

「ん?なんか足元がパタパタ言うな」と思い足元を見るとありゃ、右足の登山靴のソールが踵から半分くらい剥がれている。
こりゃ参った。
布のテープを持っているのでそれを巻いてなんとか応急処置ができたが・・・どうしよう。
来月は夏休みの登山があるのに。
1ヶ月弱でソール張替えができるのかな?
できなかったら・・・・新登山靴買わなきゃダメかい?
シーズン始まる前にソール張り替えようと思ってたけど、なんやかんやでめんどくさくって、今シーズンもこのままで持たそうと思ってしまったんだよね。
失敗した。

ブルーなまま北沢峠に到着。
昨日よりは多少静かになったかな?くらいのバス待ち。
仙流荘までバスで行き、仙流荘で入浴、高速バスに乗って帰京した。

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