北アルプスにある穂高岳は北・西・奥・前といくつかあるが、穂高岳を代表するといってよい奥穂高岳に登り前穂高岳へと縦走。
快晴ならば日本標高第3位の奥穂高岳山頂から日本一位富士山、日本二位北岳を望めなんともいえない爽快感。
山登りするなら一度は登っておきたいね。
【月   日】2006年08月14・15日
【天   気】16日/晴れ
【天   気】17日/晴れ
【季   節】
【場   所】北アルプス
【標   高】2988m
【山行形式】テント泊
【風   呂】上高地温泉ホテル

【交通】
【行】都庁西口〜上高地
【帰】上高地〜新宿駅
【コース】
【1日目】



【2日目】
上高地〜明神〜徳沢〜横尾〜本谷橋〜涸沢ヒュッテ〜穂高岳山荘

穂高岳山荘〜奥穂高岳〜前穂高岳〜岳沢ヒュッテ〜上高地
【水補給】
・上高地
・涸沢ヒュッテ
・穂高岳小屋(宿泊者以外は1L 150円)
・岳沢ヒュッテ(1L ???円)
【食料補給】
・夜行バスで休憩するSA
  (セブンイレブンがあるところもあり)
・上高地
・各小屋
【個人メモ】
・都庁前駅A2出口へ行け
・セブンイレブンあるぞ
・PM3時では遅い
夏休みの4連休は尾瀬に決まったので、夏休み前の2連休「1泊2日で北アルプス方面でどこか行ける山ないかな?」なんてヤマケイJOYを見ていたら、「蝶ヶ岳」からの「槍・穂高連峰の眺めが良い」こんなヤマケイJOYの文に引かれ、計画・さわやか信州号のチケットを購入。

しかし、JOYに載っている他の山を見てみれば「奥穂高岳〜前穂高岳」、ここも1泊2日で行けそう。
「穂高」やはりこれは山登りを趣味としている者には憧れ(?)、一度は登ってみたい山(?)だろう。
なぜかいままで自分の中にはそれはなかったのだが・・・

すでに数々の名峰を制覇した登山歴数年者(言い過ぎましたm(__)mゴメンナサイ)、穂高に足跡を残してないのは恥。
よし、いざ穂高へ!

先週に続いて2週連続日曜日の夜は都庁下。
さすがお盆休みに入った人が多く、先週とは違って登山者がいっぱいいる。
定刻通り発車。

上高地まで、このバスで直接は乗り入れすることができず、「沢渡(さわんど)」で低公害バスに乗り換える。
南アルプスもそうだが、すっかりマイカー規制が世の流れのようだ、うん、それでいいと思う。

定刻通り朝6時に上高地バスターミナルに到着、すでに登山者がわんさかと。
事前に調べておいた天気予報では、ちょっと怪しい予報だったが、すこし朝靄がかかっているが、上空は晴れのようだ。

ひさびさのテント泊重量に備え、準備運動、腹ごしらえをしっかりとし、「穂高岳小屋」までの8時間30分、覚悟を決め出発。
まあ、「横尾」までの3時間ちょっとは、ほぼ平坦な道なんで助かる。

しかし人がたくさんいるなぁ〜。
登山者もそうだが、観光客、小梨平や徳沢キャンプ場でキャンプしている人、まだ朝7時なのに上高地は大賑わい。
これがお盆休みの観光地なのか。

朝靄も晴れ、日差しがだんだんきつくなり、暑くなってくる。
ほぼ1時間置きに到着する「明神」「徳沢」「横尾」は休憩の目安。
徳沢、横尾には水場があるので、水の補給には苦労しないのに、自分のザックの中には2Lの水が入ってる。
これがザックの重量MAXだから、これ以上は重くなることはなく、食料などを消費すれば、少しずつ軽くなり楽になっていく。

横尾から涸沢方面と槍ヶ岳へ登る人に分かれる。
「横尾大橋」の吊橋を渡り、「本谷橋」までは横尾本谷の川を左に眺めながらの登山道。
多少傾斜があるので、今までとは違いペースが少し遅くなる。
やはり平坦な道と起伏のある道では、感じるザックの重さがあきらかに違う。

視界が開け、今まで左に見ていた横尾本谷を渡る橋が本谷橋。
これからのきつい登りに備えてだろう、橋を渡った川のそばで皆ひとやすみ。

ここから涸沢までの登りがけっこうきついんだよなぁ。
北穂高岳に来たときも、ここが一番きつく感じた。
紅葉時なら「ダケカンバ」や「ナナカマド」が色づき、綺麗で目を楽しませてくれる道らしいが。

やはり皆きついのだろう、お互い抜きつ抜かれつ。
ここは他人との競争ではなく自分との闘いだ。
やっぱ小屋泊まりにすれば良かった・・・とはちょっと思った。

残念ながら、各穂高山頂付近には雲がかかっいて、すばらしい景色の中の山登りとは言えない。
黒い雲が見え「雨降るんじゃないかな?」なんて思うが、時々青空が望めるのでなんとか持ちそうだった。

涸沢への最後の登りには広く残雪が残っている。
「このまま冬まで残るんじゃないかな?」て感じな多さだ。
ふみ後があり、最後の方は階段状に切ってあって、慎重に歩けば軽アイゼンは必要ない。




なんとか涸沢ヒュッテに到着。
穂高連峰をバックにした涸沢ヒュッテのアングルが好きなんだけど、残念ながら山の景色が良くない。
う〜〜ん、残念。

涸沢ヒュッテのテラスから見る涸沢カールはやはり山に雲がかかっているせいかあまり見事ではない。
やはり青空の方が絵になる。
テント場にはもっとテントの花が満開かと思っていたが、それほど咲いてないなぁ。

テラスには涸沢で宿泊する人らが早くも宴会をひろげている。
生ビールや缶ビール、おでんにラーメン。
涸沢ヒュッテの名物である、おでんと生ビールはまだ一度も経験してないんだよな。
涸沢小屋のアイスクリームも。
天気良くないし、今日はここでテント張っちゃおうかと、ちょっとマジで思ったけど、まだ12時30分、「穂高岳山荘」へ行くには十分時間がある。
疲れはザックを降ろせばまだ感じない、行っちゃえ。
生ビールへの思いを断ち切り、涸沢ヒュッテを出発。

再び出現した雪渓を登りきると、地図通りにお花畑が広がっている。
色とりどりの花が咲いていて、バックの穂高連峰と絵になる、青空ならもっと絵になる。
なんかこれ見ただけで、穂高岳山荘へ行くことにしてよかった。

再び雪渓が・・・このコース最大だ。
あれ?1人座り込んでいる人が居る。
そばには2人の山岳隊員らしき人が居る。
どうやら転んだかなんかで骨折したらしい。
しばらくしたらヘリコプターが来て運んでいった。
そういえば前日は、北穂からの下りで滑落し、女性が死亡したとニュースで流れていた。
皆、気をつけてはいるんだろうけど・・・・


「ザイテングラード」前の登山道にはお花畑があちらこちらにあり、なんの花の匂いかわからないが、良い匂いが広がっている。

ごつごつした岩が露出しはじめれば、そこが「ザイテングラード」だろう。
いやぁ〜きつい。
もう10歩歩いては休憩。
だんだん小屋が見え始め、こっちを見下ろしている人がたくさんいる。
情けない姿をさらすけど、もうどうでもいい。
数歩歩いては立ち止まりを繰り返し、なんとか穂高岳山荘に到着。

小屋の側には、いくつかのハシゴが掛かっている垂直な壁が。
そこに登山者がへばりついている!
奥穂から下ってきた人達だ。
明日・・・ここを登るの!!!





小屋の中は人でごった返している。
なんか異様な匂いもw
こりゃそうとうな人数の宿泊者だな。

テントの受付をすると
「テントを張ってから受付してください」
「え?」
混んでいるからテントを張る場所がないかもしれないそうだ。
なんと!テント場でテントが張れない!そんなこと今まで一度もなかったよ。

テント場に行って見ると、うわぁ〜、テントがひしめき合っている。
眺めの良い所はすでに埋まり、広いスペースにはお互いがくっつき合いながら、テントを張っている。
テント張る場所ないかも・・・重い思いをして担いできたのに、テント張れないなんて悲しいよ。

ここに張れそうかもしれない、所を見つけた。
でも下は石でごろごろ、テントをめいっぱい張るとすでに居る人の通り道を塞いでしまう。
しかしここくらいしか見つからなかったので、すでに居る人に通り道を確保しておくことを約束して、テントを無事張ることが出来た。
出入り口がしぼんでいるが、寝床を確保できほっと一安心。

無事に受付すると「テント許可証」がないと。
もうキャパいっぱいなんだろうな。
まだ登ってくる人もいるけど、テント予定の人はどうするんだろう?

なんかいろいろと疲れたんで「涸沢岳」に登ることはあきらめて、お楽しみのビール!
ひさしぶりのテント、無事予定通りたどり着けたこと、いやぁ〜なんかすっげぇ〜ほっとしたな〜。

夕食はカレー、「さとうのご飯」を3つ持ってきて、カレーで2つ食べて、1つは明日の朝飯。
これでだいぶ荷物が軽くなるんで、これで明日は楽に感じるね。

缶ビール2本で眠気が・・・19時には就寝。
0時頃目覚め、星空を見る為に顔を出すと外は真っ白。
星空は無理かな、ちょっと風が強い。

4時頃目が覚めたらすでに外は騒がしい。
外はかすかに明るくなり始め、月がきれいに浮かんでいる。
あちゃ〜、あのあとすっかり空は晴れたんだ。
2時くらいなら、きれいな星空望めたんだろうなと言うようなきれいな空。

奥穂へ向かう垂直な壁にはところどころ光が。
うわぁ、ヘッドライト点けて登ってるんだ。
俺はもっと明るくなってから登り始めよう。

朝飯、テント撤収、いろいろと準備して5時30分頃出発。
よしザックが軽く感じる。
すでに壁は渋滞中。
蟻みたいに列作ってるよ。

渋滞しているんでのんびりのんびり。
確かに落ちたら終わりだけど、見た目よりはぜんぜん楽に登れる。


前にも後ろにも人が繋がっているんで、落石だけは気をつけないと。
もちろんここを登りきると奥穂高岳山頂ではなく、さらに奥、奥と岩登りが続いている。

おぉ〜振り返れば涸沢岳に隠れて見られなかった北穂高岳、その後ろに槍ヶ岳が姿をあらわす。
やはりなんだかんだ言っても、槍ヶ岳は富士山と共に絵になるね。
富士と違って槍は登っても眺めても良い山だけど。






先のほうで人が溜まっている。
おっと、ここからは富士山と南アルプスが見え、「奥穂(標高日本第3位)に登って富士(1位)と北岳(2位)を見れるなんて幸せだね」なんて言った人がいた。
ほんと今日は天気がいい。

奥穂高岳山頂らしきところが見えてくると、噂の「ジャンダルム」が見えた。
あれかよ!!
らくだのコブのようにボコボコと山のようになっている。
あの稜線上を歩くの?
なんか岩ごとぼこっと落っこちそうな稜線だ。
ちょっとあれは俺には・・・・






奥穂高岳山頂が見えてきた。
角のように2つ飛び出ている所に人が登っている。
片方に祠があり、もう片方には山座固定盤が乗っかっている。
もちろん人気は祠の方で、狭いからそう人数は乗れないので、記念写真を撮るために順番待ちしている。
あまり長居はできないので、展望はその奥の方に広い所があるので、そこで十分展望を楽しむ。

しかしほんと天気が良いから、ばっちしの展望。
これだけの展望を見られたのなら、もう奥穂へは来なくてもいいかな・・・なんて。

しばらく展望を楽しみ、頃合を見計らって奥穂を後にする。
前穂高岳を目指す登山者は多く、まだまだ渋滞が続いている。

やはり登りより下りの方が危ない。
急な下りでは背中を向けて降りるより、前を向いて降りたほうが楽だと思うのだが、慣れてない人は背を向けて降りるため、なんか時間がかかっている。
そのおかげで写真を撮れたりできるので自分には助かるが。

「アニヨハセヨ」
韓国で登山ブームなのだろうか、たくさんの韓国の人を見かけた。
見た目では日本人と変わらないのでわからなかったが、話しているのを聞くと韓国語だ。

穂高岳山荘での受付で韓国の人が10万円位払っていた。
12〜3人の団体で来ているようだ。
単独の人もけっこうみかけた。

紀美子平に到着。
上高地を見下ろすことができ、展望が良い。
前穂高岳山頂へはここからピストンするので、皆ここにザックをデポして、軽身で山頂を目指す。
前穂山頂へは手と足を駆使しての岩登り。
一方通行ではないので、登る人と下る人、お互い気を使いながら利用しなければならない。

重いザックがなくなったせいか、ほんと体が軽く、ほいほい登れる。
あっと言う間と思われる時間で山頂に到着。


前穂高岳山頂は広い。
360度の展望で、奥穂高岳より眺めはいいかも。
相変わらず、富士、南アルプス、槍、北穂は望め、雲海との組み合わせがとても絵になる。
いやぁ〜ほんと良いときに来れた。
ほんともう一生来なくても・・・


でかいザックがないぶん下りはもっとほいほい下れる。
岩場は下りのほうが楽だな。

紀美子平で一休憩して、眼下に見える「岳沢ヒュッテ」を目指す。
まだまだ岩場下りは続く。
相変わらず渋滞しているので、自分のペースで歩けない苛立ちより、落石したらまずい、その気持ちの方が強くて神経を使う。
去年の八峰キレット越えの経験があるせいか、鎖場やハシゴ、岩場の垂直な下りでも慎重にはなるが、あまり怖さは感じない。
やっぱ少しずつ経験してタフになっていくのかな?
でもジャンヌダルムはちょっと・・・

紀美子平からの下りは「重太郎新道」と言うらしいが、下りばかりで長いしで、ひさびさなザックの重さもあるだろうが、膝にくる。
もう岳沢ヒュッテに着いた時はへろへろでした。

岳沢ヒュッテは大雪で潰れたそうだ。
基礎部分はすでに完成しているようで、今年中には新しく建てられるようだ。
「なんもやってないかな?」と思ったけど、飲み物など販売していたし、テント場も使える。
水は無料ではなく、1Lいくらか払わなければならない。

上高地でお風呂に入ることを考えると、ここでそうのんびりとはしていられない。
上高地まではここからまだ2時間ほどかかる。
膝が限界に近いが、歩かなきゃ帰れないからね。
やっぱ頼りは自分の体力か。


2時間の下りだが、何回休憩しただろう?
後ろから足音が聞こえてくると即立ち止まり道譲ります。
前の人に追いついても追い抜かず休憩します。
なんとか山道も終え、観光客と一緒に河童橋に着いたころにはさらにへろへろ。
ここから入浴予定の「上高地温泉ホテル」までは30分くらい。
観光客がわんさかいるんで山男がヘタレな姿は見せられません。

風呂に入れば元気復活。
バスターミナルでの生ビールに向けて元気に向かいます。








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