100名山の一つに指定されている巻機山。
谷川岳とともに上越国境をなすピーク。
機織の神として地元の人々の信仰を集めている山らしく、整備された登山道、標識、山頂ちかくにある綺麗な小屋など大切にされている山だとよくわかる。
紅葉シーズンの山は十分堪能したので、次は花が咲き乱れると言うシーズンに訪れてみたい。
【月   日】2005年10月17・18日
【天   気】1日目/晴れ
【天   気】2日目/ガス
【季   節】
【場   所】上越
【標   高】巻機山 1.967m
【山行形式】巻機山避難小屋)
【風   呂】水上ホテル聚楽
【個人的メモ】スパッツは装備して登れ。

【交通】
】池袋駅〜六日町IC
六日町駅〜清水BT
】清水BT〜六日町駅
六日町駅〜水上駅〜五反野駅
【コース】
【1日目】清水BT〜桜坂駐車場〜3合目〜4合目〜5合目〜6合目〜7合目〜8合目〜ニセ巻機山〜巻機山避難小屋〜巻機山〜割引山〜巻機山〜牛ヶ岳〜巻機山〜巻機山避難小屋
【2日目】巻機山避難小屋〜ニセ巻機山〜8合目〜7合目〜6合目〜5合目〜4合目〜3合目〜桜坂駐車場〜清水BT
【ベスト休憩場所】
・7合目
・ニセ巻機山山頂
【水補給】
・巻機山避難小屋から5分
【食料補給】
・六日町駅ちかくにコンビニ
2005年度紅葉シーズン到来。
先週は雨で中止し、今週行けなければ、本年度の紅葉シーズンは空振りに。
11月頃の低山紅葉はありますが・・・・

6月に行く予定だったけど雨で中止になり、紅葉時に行こうと決めていた巻機山(まきはたやま)へ。
六日町駅から登山口までのバスは1日3本(30〜40分歩く覚悟があれば本数はあります)しかなく、一番早い時間のバスで06:45発、次のバスは12:50発になってしまうので、06:45発のバスに乗りたい。
どう調べても、一番の電車に乗って06:45までに六日町駅へ着くことができないので、03:00頃に六日町インターチェンジに着く夜行バスを利用。
池袋駅から乗車し、六日町インターチェンジで降ろされるが、着いたのは02:50頃なので外はまだ真っ暗。
他に降りた人達は、家族や友人だろう、待っていた車に乗り込み、高速バスバス停にぽつんと1人きり。
バス停の待合室で仮眠をし、05:30頃、六日町駅へ向かう。
外はまだ暗く、「六日町駅」への道順は、事前に調べた通り向かっているのはわかるが、真っ暗の中、ほんとに正しく駅へ向かっているのかちょっと不安に感じたとき、遠くに「セブンイレブン」の看板が、暗闇の中に光って見える。
            セブンイレブンHPの「店舗検索」から、六日町駅近くにセブンイレブンがあることがわかったので、そこで食料調達する予定だったが、そこはこのセブンイレブンではなかった。
「渡りに船」、ここで食料調達し、駅への道を聞き、正しく向かっていることがわかり安心。
空が明るくなり始めた頃、「六日町駅」に到着。
地下道を通って、反対側の駅出口が清水へ行くバス停のある所。
定刻通りバスは発車し、乗り込んだのは自分1人。

駅前や街中は霧に包まれていて、上空には青空が見えていなかったが、だんだん山に近づいていくと霧が晴れ、青空が見えてきてほっと一安心。
終点「清水」バス停で降り準備をしていると、1台の車が目の前に止まり、約40分かけて歩かなければいけない桜坂駐車場にある登山口までの林道を、車で送ってくれるとのこと。
ありがたく乗せてもらい、桜坂駐車場まで5・6分で着いてしまった。
地元の方で、巻機山には3・4度登っていて、今日は天気が良いのと仕事の休みが重なったから来たそうだ。
紅葉は今週いっぱいで見頃は終わるだろうと言っていた。
駐車場には5・6台の車が駐車しているが、平日特権で駐車料金は無料だそうだ。
お礼を言って、改めて準備をして出発。

樹林帯の中をしばらく進めば、沢コースと井戸尾根コースとの分岐に出るが、沢コースは下り使用禁止なので、今回は井戸尾根コースをピストン。
車で送ってくれた人が、沢コースは変化があり楽しめるが、先週遭難騒ぎがあったとのこと。

うっそうとした樹林帯の中を、本日の体調を感じながら登るが、眠いながらも、2回連続の避難小屋泊なせいか、ザックの重さも気にならず快調。
眠いのは、今夜の小屋で嫌っていうほど寝なきゃいけないだろうから気にしない。


この山、きちんとここは何合目と標識が立っている。
1・2合目はわからなかったが、3合目からはじまり、ご丁寧に何合目何勺という標識まで立っている。

だんだん標高が上がるごとに木々の密集度が広がり、所々色づいている葉が目に映ってくる。
空は青空、風が涼しく心地よいが、登山道はぬかるみが多く、靴はドロドロになり、ズボンの裾もドロドロ、スパッツを装備した方が良かった。
下りもこのコースなので滑りそうで嫌だなぁ〜。

4合目を過ぎ、もうそろそろ5合目かな?という頃、ぽっかりと口の開いた空間が先に見える。
そこを抜ければ5合目の標識、そしてまさに見頃を迎えた、紅葉で染まっている、いや、染まりまくっている巻機山の眺望が、パノラマに広がる。
何シーズンぶりに見る見事な紅葉、これを見ただけで今年の紅葉は満足。

登山道も真っ赤なナナカマドの実や、紅葉&黄葉している葉のトンネルに変わってくる。
6合目に到着すれば、紅葉のパノラマと三角の形をした「割引山(わりめきやま)」の姿が見える。

                  だんだん高い木がなくなって見通しが良くなり、青空の下、紅葉を眺めながらの登山道。
天気予報通り、群馬県方向は厚い雲で覆われている。
だんだんとこっちの方も侵略され始めているようで、雲がどんどんこっちに流れてくるが、まだ青空の方が強く、来た雲を散らしている。
でも明日は雨かもしれないな。

7合目はひらけていて、座るにちょうど良い岩がごろごろあり、ここで紅葉を見ながらのコーヒータイム。
車で来て朝早くに登り、下山してくる人達とはすれ違うが、後から登ってくる人はいなく、この日は自分が一番最後の登山者のようだ。
自分も多少急げば日帰りできるが、18:45発の六日町駅へ向かうバスに乗れたとしても、帰れる電車がない。
六日町駅から水上駅へむかうJR上越線の本数が少なすぎる。
今度は往復バスの日帰りで計画しよう。

だんだん見上げていた紅葉から、見下ろす紅葉に変わってくると8合目の標識があわられる。
階段状の登山道が続いている尾根歩きが始まり、視界もひらけ、いままで見えてなかった「牛ヶ岳」方面が見え、薄茶色に染まった山肌が紅葉とは別に秋を感じさせてくれる。
厚い雲が、いつのまにか自分の近くまで来ている・・・

小高い所に標識が立ってあり、そこが9合目兼「前巻機山、別名ニセ巻機山」。
ここからは巻機山への登山道、その奥に「割引山」、とても絵になる風景が広がる。
すぐ下には今夜の宿「巻機山避難小屋」がある。

まだ新築したばかりなのだろうか、綺麗な小屋で中に入ってみれば、設備が今まで泊まった中で、一番整っている小屋。



まずはトイレ。
洋式トイレでトイレットペーパー付。
ここまでは他の避難小屋でも設備している所がある。

使用する前に便座を消毒してくださいと、消毒液があった。
残念なことに中はカラだったが、こんなの置いていあるんだと驚き。

そして一番の驚きは便座そばにある自転車。
「なんでここに自転車?」と驚いたが、なにをするんだろうと説明を読んでみると、トイレ使用後、前に20回、後に10回、ペダルを回してくれと。
タイヤは付いてないので動かないが、ペダルを回すことによって、便器の中が回転し、便と中にあるオガクズが混ざり合い、便をバクテリア処理でき、なおかつ混ざり合うことによって、バクテリア処理に必要な酸素も供給できるとのこと。
男子用の小便トイレは別にあり、こちらの使用は関係なくても酸素供給のため、ペダルをまわして欲しいとの事。
そういう事なら協力しましょ〜。

もうひとつの驚きは無線設備。
太陽電池が電源のようで、2回の窓にソーラーパネルが置いていある。
      使い方は簡単、ボタンを2回押して、相手が出るのを待ち、話すだけ。
麓の観光課あたりにつながるようだ。
なにかのトラブルの際は安心ですね。
いやぁ〜、設備にびっくらこいた小屋でした。

1階よりも2階の方が寝るのには適している感じ。
まだ誰もいなかったので一番良い場所だと思った、1畳ほどの区切られた場所と、開けると一番眺めが良い窓の側に寝床を作った。

まだ時間はお昼前。
ぼーっとしててもしょうがないんで、必要な物だけをザックに積め、巻機山と割引山山頂に行く。

「あちゃ〜」
さっきまで小屋から巻機山がよく見えていたが、今ではすっかりガスに覆われている。
とうとう侵略を許してしまったようだ。

水が頼りないので、小屋から5分行ったところにある水場へ。
途中にテント場があるが、テントで来る人いるのかな?
金とる小屋があるならまだしも、無料の避難小屋があるのに。

      水場は湧き水ではなく川。
川には大腸菌やなにやらがいるから飲み水には適さないと言われている昨今、川から水を汲むなんてなんか新鮮。
ついでに持って来た缶ビールを川に沈めておく。

小屋から小高いところを登ると湿原があり、数々の湿原を見てきた自称湿原マニアな自分には、それほど感動できなかった湿原だが、草黄葉が一面にひろがりきれい。


割引山と牛ヶ岳との分岐が巻機山山頂。
ほんとうの巻機山山頂は別のところらしいと話を聞いたが、地元の人がここを山頂としたのだろう、真新しい2005年製の標識がたっている。
さきほど車で送ってくれた方がいたので、最後のお礼を言って割引山に向かう。

まだ割引山方面はガスが薄かったが、山頂に着く頃にはガスに巻かれていた。
山腹を沿うように伸びている木道を歩けば、割引山山頂へ続く真っ直ぐ伸びた登山道が見える。
見た目では時間がかかり、きつそうな上りに見えるが、10分ほどで山頂に到着。
山頂は独立峰みたいな感じなので、風が強く寒い。
風を防げる場所を探し、ときどき切れるガスの合間から、景色を見ながらのコーヒータイム。

まだ時間はあるので巻機山山頂に戻り、牛ヶ岳を目指す。
もうすっかりガスに巻かれてしまい、展望はなし。
ここんところやけにガスと縁があるが、まぁ今回は景色より紅葉が目的なんで、それほど残念でもなかった。

牛ヶ岳まではなだらかな登山道、途中に湿原があり、先ほどの湿原よりは池糖が多めで、展望良ければ湿原と絵になりそう。

先月に行った朝日岳への分岐を過ぎ、しばらく行くと、先の方に標識の立っているのが見えたが、時間からして、牛ヶ岳山頂ではないと思っていたが、着いてみれば山頂を示す標識だった。
地図では巻機山山頂から牛ヶ岳までは40分かかると書いてあったが、半分の20分ほどで着いてしまった。
あっけなく着いたのでちょっと物足んなく、もう少し先の山頂より高い所まで行くが、周りはガスに巻かれているので違いはなく、ただの自己満足。
目的の山頂を踏んだので、あとは明日の好天での展望に期待し、小屋へ戻る。

16時頃から飲み始め、真っ暗になった17時30分くらいには就寝。
今夜は1人。
相変わらず浅い眠りでときどき目覚めるが、外は雨が降っているような音。
「明日は雨か・・・んん?なんだろう?」ときどき下からモーターの動くような音がして気になる。

6時頃起きてみれば外は真っ白、雨はやんだようだ。
これだと山頂に行っても昨日と同じなので、もう少し待つため、再びウトウト・・・
下山にかかる時間ぎりぎりまで待ってみたが、いっこうに晴れる気配がないので、このまま下山開始。
小屋の外に出てみれば、早っ、もう登って来た人がいる。
相手も自分がいることに驚いたのか立ち止まり、じっと見ている。
熊かなにかと思ったらしい。
ここは日帰りで来る山なんだろうなぁ〜・・・・

昨日と同じ道だが、うってかわってなんにも見えない。
鹿島槍ヶ岳・谷川岳、そして今回と3回連続ガスまみれで、慣れたと言えば慣れたが・・・
ガスが濃く、昨日見た綺麗な紅葉もガスの中。
            こんな中、登ってくる人もいたが、すれ違ったのは4人なんで少ないほうだろう。
登山道は昨日よりもさらにドロドロ。
前回の谷川岳での教訓から、レインウェアのズボンとスパッツを装備してきたが、ズボンはいらなかったな。

順調に降りてもバスの待ち時間が多くなるので、のんびりと下り、7合目でコーヒータイム。
3合目くらいでガスは薄まり、麓は青空の下なのがわかる。

駐車場に着いてみれば、途中ですれ違った単独登山者2人が下りて来る。
車があれば日帰りな山なんだとあらためて思った。

昨日は車で省略したバス停までの林道を下るが、違う駐車場のそばにある水道の蛇口に、大き目のブラシと歯ブラシが置いてあり、靴の泥を落とす場所がちゃんとある。
知らなかったので駐車場に溜まっていた水溜りで、ある程度泥を落としておいたが、そこで綺麗に泥を落としておく、バスに悪いからね。

   途中「1合目5杓 近道→」との標識があり、歩いてくれば近道があったんだとわかったが、下っていた時は、この近道の出口らしきところはわからなかったなぁ〜。
しかし、駐車場が2合目、バス停が1合目と言うのがこれでわかった。
バスの発車時刻1時間前に到着。
民宿が数件あるので、ここで風呂に入れるならと思ったが、あまり風呂には期待できそうにない民宿が多かったので(すいません)、青空の下、コーヒーを飲みながらバスを待ち、水上温泉街で汗を流してきた。




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