日本で2番目の高さである北岳。
北岳・間ノ岳・農鳥岳で白峰三山と呼ばれる。
高山植物が多く咲き、北岳山頂からの眺望は甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・鳳凰三山・富士山と見られ,さらに間ノ岳山頂からは北岳を加えた南アルプスを代表する山を一望できる。
【月   日】2005年08月8・9日
【天   気】1日目:晴れ時々曇り
【天   気】2日目:晴れ時々曇り
【季   節】
【場   所】南アルプス
【標   高】北岳 2780m
【標   高】間ノ岳岳 2840m
【山行形式】北岳山荘泊
【風   呂】竹の湯(銭湯)


【交通】
【行】五反野駅〜新宿駅
【行】新宿駅〜甲府駅
【行】甲府駅〜広河原
【帰】広河原〜甲府駅
【行】甲府駅〜新宿駅
【行】新宿駅〜五反野駅
【コース】
【1日目】広河原〜広河原小屋〜大樺沢〜肩ノ小屋〜北岳〜北岳山荘
【2日目】北岳山荘〜間ノ岳〜北岳山荘〜北岳〜肩ノ小屋〜草スベリ〜白根御池小屋〜広河原山荘〜広河原
【ベスト休憩場所】
・二股
【水補給】
・広河原
・肩ノ小屋(有料)
・北岳山荘(有料)
・白根御池小屋
【食料補給】
・甲府駅そばにコンビニ
・北岳山荘
・各小屋(未確認)
前回、山へ行ったのは6月の金時山。
もちろん7月にも予定を立てていたが、都合が合わず、夏休み登山直前まで来てしまった。

夏山期間ということもあり、甲府駅からAM:4:00発の広河原行バスがある。
これに乗れば、北岳を1泊2日で行ける。
本来なら、北岳・間ノ岳・農鳥岳の「白峰三山」を縦走したいが、それには2泊3日が必要、無理すれば1泊2日でも行けるかもしれないが、それはスタイルでないので・・・・・

交通・コース・状況・小屋と計画をばっちりとたて、あとはいつものように、天気予報とにらめっこ。
前日まで見ていた天気予報では、2日間とも「晴れのち雨」。
これは雨覚悟か・・・・

仕事が終わり、新宿駅へ。
安く、楽に、寝れるようにと、新宿駅から甲府駅までは高速バスを利用。
PM10:00発のバスチケットをネットで予約済み。
しかしながら、バスは乗車率70%で出発。
予約しないでも良かったかもしれないが、これは性格なんでしょうがない。

AM12:10頃、あまり寝れないまま、甲府駅に到着。
まだ電車があるせいか、甲府駅はにぎやか。
浴衣を着た人達も大勢いたので、ちかくで花火があったのかな?

バスが出るAM4:00までは約4時間ある。
甲府駅近くに、24時間ネットカフェ「自遊空間」があることは調べてあるが、詳しく場所を調べてみれば、ちょっと駅から遠そう。
待ち時間に寝ておきたいので、行ったことのない「自遊空間」を探すのに時間をかけるのがもったい。
ビールでも飲んで、適当なところで野宿しようと、駅近くのコンビニでビールを買いに行ったが、駅近くにあるコンビニ2軒(共にローソン)には、ビールが売ってない。
駅周辺をうろうろし、「ampm」を見つけたが、ここも売ってない。
すでにAM1:00
寝る時間がなくなっちゃう・・・・・
ビール探しをあきらめ、駅ちかくのデパートの入り口でザコ寝。
風は冷たくなく、適度に涼しく、なにも上にかけなくても、寒くはないが、コンクリート上への直寝は、痛いし冷たい、でも寝れないこともない。
駅前は静かになり始めたが、もともと寝つきが良いほうでもなく、睡眠促進液も飲めなかったので、ウトウト・・ウトウト・・

AM2:30
んん??なにやら騒がしい。
広河原まで行くバスの交通会社「山梨交通バス」の職員さんが、バス停前にたむろしている多くの登山者に向けて、なにやら叫んでいる。
起き上がり聞いてみれば、ザックを並べてくれとのこと。
ザックを並べバスの座席確保と、何台バスを用意すればよいのかを、確認するらしい。
バスに乗れなかったら大変なので(実際はそんなことはないだろうが)、自分もザックを置きに行く。
眠い・・・再び寝床へ

AM3:30
またまた職員さんが大声で。
もうじき発車時刻なので、寝るのをあきらめ話を聞きに。
車規制、広河原バス停の変更など、いろいろと話を聞いているうちにバスが到着。
立つ人もいなく、バス3台で出発。
広河原まで約2時間、この間に寝る。

寝れない・・・・眠いけど寝れない・・・・
バスが揺れる揺れる。
窓ガラスに頭をもたれ寝ていると、バスが大きく揺れ、窓ガラスにヘッドバット。
頭を前に倒して寝ていれば、バスが大きく揺れ、体が左右に大きく揺さぶられる。
寝るのはあきらめました。
広河原到着まで、約3時間ほどの睡眠時間、きつい山登りになりそう・・・・・

バスは「アルペンプラザ」を通り過ぎ、その先のテントを張ってある場所が終点。
「北沢峠」や「奈良田」へ行く人は、ここから乗り換え。
空は青空、風は穏やか、絶好の登山日和。
「アルペンプラザ」で水を補給し、準備を整え出発。

揺れるつり橋を渡れば「広河原山荘」。
自動販売機には缶ビールが売っていて、なんと小屋の横にはコインシャワーがある。
「3分300円」
汗流せる場所があるのはうれしいけど、なんか味気ないなぁ〜。

小屋横から、北岳へ向けての登山開始。
樹林帯の中、前後の人とうまくバランスを取りながら、「大樺沢」と「白根御池小屋」との分岐に到着。
予定では、「白根御池小屋」を経由して、北岳へ向かう予定だったが、分岐に着くと何度も登っている人なのだろう、「「白根御池小屋」方面はずっと樹林帯の中で景色もない、「大樺沢」へ向かった方が眺めがいいぞ」と言う話し声が聞こえた。
それを聞いたら「大樺沢」へ向かわないと。

最初のうちは樹林帯の中だが、天井があけてくれば沢が現れる。
これが「大樺沢」って言うのかな?
登山道に水が流れている所が多く、沢を何度か横切る。
靴に防水スプレーをかけてきて正解。
「北岳バットレス」が、目の前にあらわれる。

平日登山でも、さすがに夏山の南アルプス、いつもの平日登山よりも人が多い。
お互い進む先は同じなので、休憩時に抜きつ抜かれつ、なんとなく話をすることになる人もいたりして、単独登山でも黙々歩くことはない。
いろいろな登山者がいるその中でも、特に目に付いたのが、大学か高校の登山部のような団体さん。
なんて言うか、一致団結?さわやか集団?
挨拶は元気で、リーダーは絶対?
休憩姿を見ていると、ザックをおろして体操を始め、休憩時間、この後の予定をリーダ−が指示。
いやぁ〜、普段見られないものを見られるのも夏山です。
雪渓が姿を現してくれば、分岐である「二股」が近い。

休憩するのには最適な場所。
ここから「八本歯ノコル」へ向かうか、「肩ノ小屋」へ向かう「右俣コース」かの選択。
「八本歯ノコル」へ向かえば、宿泊予定の「北岳山荘」へは近いが、北岳山頂を踏むには、寄り道する感じのコースになり、北岳山頂へ向かうのが、すこし面倒くさくなってしまう。
「肩ノ小屋」へ向かえば、北岳山頂は「北岳山荘」へ向かうコース上にある。
食えるときに食っておけ、買える時に買っておけ、天気が良いときに行っておけ精神で、「肩ノ小屋」へ向かう「右俣コース」を行く。

ここからはフラワーロード。
黄色、白、赤、オレンジ、ピンク、紫、色とりどり、花の名前に詳しくないのが悔しいほど。
トリカブトだけはわかる。
前に歩いていたおばちゃんが感動しまくりで、抜こうとした自分に「ほらほら、お兄さんも見てごらん、かわいいわねぇ〜きれいねぇ〜。ほらほら見て、疲れが取れるから、見て見て」
「は・・はぁ〜・・・・・・・・・・・」

だんだんと展望がひらけて、山頂付近がガスで覆われていたのですぐにはわからなかったが、ガスの切れ間から「オベリスク」が見えたことによって、「鳳凰三山」だとわかった。
今回、「北岳」にするか「鳳凰三山」へのリベンジにするか悩んだが、この状態を見れば「北岳」を選んで正解だった。

「白根御池小屋」からの登山道と合流する、「小太郎尾根」との分岐からが、大展望のはじまり。
だんだんと緑が少なくなり、尾根歩きが始まる。
登りはきついが、ある程度のところまで上がると、「北岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳」の南アルプス三大巨頭が見える。
仙丈ヶ岳も登った、甲斐駒ヶ岳も登った、そして今回北岳。
そう思うとちょっと感動。
展望の良い場所で休憩し、景色を楽しんでいると、だんだん北岳方面にガスが湧き出し始めてくるのがわかる。

「あそこを登りきれば「肩ノ小屋」かな?」と思う登りを、3回ほど繰り返して「肩ノ小屋」に着く。
全体的に青い小屋で、「狭そうな小屋だなぁ〜」なんて見ていると、「お客さん、そこにいるとヘリコプターの風で飛ばされるよ〜」と声をかけられた。
「大樺沢」あたりから、ヘリコプターの姿を頻繁に見ていたが、まだ荷揚げしている様子。
あまり見られないものなので、小屋近くでヘリコプターが来るのを待っていたが、なかなか来ない。
しかし、小屋の人達は、なんだか大忙し。
「あれが飛んじゃうから押さえとかなきゃ」とか、「ここに置いておいたら飛んじゃうから、あっちに持っていけ」など。
そんなに風強いんだ〜。
しかし、待てどもいっこうにヘリが来ないので、あきらめて、北岳山頂へ向かう。

いっきに高度をあげて、眼下にある「肩ノ小屋」が小さくなっていく。
反対方向には「北岳山荘」の赤い小屋が見えてくる。
北岳山頂はもうすぐだが、ヘリはいまだ来てない。
結局、ヘリでの荷揚げは見られなかった。

北岳山頂に到着。
日本で2番目に高い山頂、山登りする人以外、日本で2番目に高い山という事をあまり知られていない、山頂に到着。
山頂にはそれほど人が多くないのでのんびりできる。
甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、塩見岳、間ノ岳等の名山が一望でき、もっと快晴なら富士山も見えるはずなのだが、今回は見えない。
甲斐駒ヶ岳、間ノ岳が、だんだんガスに巻かれ見えなくなってくる。
「北岳山荘」の建っている尾根を境にして、左側にガスが沸き、右側は展望良。

PM1:00
地図上ではここから3時間ほどで「農鳥小屋」まで行けるので、「今日「農鳥小屋」まで行って、明日「奈良田」まで下り、「白峰三山」縦走しちゃおうか」とふっと思ったが、あまりせかせかするのもイヤだし、間ノ岳方面のガスを見てしまったら、今回は予定通りに「北岳山荘」に宿泊。

北岳山頂からいっきに高度を下げ、「北岳山荘」へ向かう。
明日も北岳山頂へ登る予定なので、「この下りを明日は登るのか」と思うと、ちょっとヘコムような下り。

だんだん「北岳山荘」が大きくなり、さっきの「肩ノ小屋」よりも、過ごしやすそうな小屋に見える。
「八本歯ノコル」からのコースとも併走し、「北岳山荘」のシンボルでもある「鐘」に到着するが、鳴らすほどの度胸はない。

小屋は2階建。
小屋に入ってすぐに受付があり、ここで本日の宿泊手続き。
朝食を頼むかどうか悩んだが、やはり朝食に1.000円出すことが納得できず、夕食のみの1泊1食6.700円。
部屋は全部山の名前になっており、2階の「農鳥部屋」に指定された。
山小屋の詳細は「山小屋・テント場」で。

荷物の整理、寝床の準備を終えたら、さぁ、お楽しみ。
受付で350ml缶500円で買い、外にあるベンチに座り乾杯!
「くぅ〜、胃がキュっとしまって痛かったが、うまい」

展望はガスで覆われていてなんにも見えないが、上は晴れているので太陽の陽が日に焼けた腕に熱い。
しかし風が涼しく、湿度が低いので心地いい。
すきっ腹にビール、睡眠不足のせいもあり眠かったが、ここで寝たら、夜寝れなくなってしまう。
まだコーヒータイムを作ってなかったこともあり、眠気覚ましのコーヒーを飲んで眠気をごまかす。

寝床に戻って同部屋の人達に挨拶をし、明日の予定確認などで横になっていたら、少しウトウトしてしまった。
気がつけばPM4:00
腹減った〜〜〜〜
眠い、腹減ったのダブルパンチ。
いままでずっと行動食ばかりだし、最後に口にしたのはお昼頃だった。
こんなときにかぎって夕食は2番目。
1番目はPM5:00に始まり、2番目はPM5:55の予定。
約2時間、眠りもせず、動きもせず、寝そべったままだらだらと夕食時間まで待ちつづけ、お呼びがかかればダッシュで食堂へ。

いやぁ〜食った食った、ご飯3杯、味噌汁2杯おかわりして満足満足。
食べ過ぎて、寝る前の睡眠促進液を飲めなくなってしまったが、明日の天気をTVで確認して寝る。

本日小泉総理が郵政民営化案を否決され、解散を宣言。
同部屋のおじさん達はラジオから流れるニュースにざわめく。
歴史的な1日(?)なので、ここに一筆。

AM3:30頃には行動を開始する人もいるようで、小屋がざわつき始めてくる。
運悪く隣のおじさんだけがイビキをかく人だったが、眠かったせいか、用意しておいた耳栓をしなくても気にならず眠れた。

AM4:00頃には出発準備が出来たが、まだ外は暗い。
明るくなるのをただ待っているのもなんなんで、カップラーメンを買って朝食に。
AM4:30、外も明るくなってきたので、間ノ岳を目指して出発。

空は晴れているが、この時間帯にしては雲が多い。
昨晩の天気予報では山の天気も放送してくれ、予報では「北岳:くもり」

「中白峰」へ向けてある程度登ると、背中から太陽が昇ってくる。
北岳の上にある雲が赤色に染まり、北岳の横からオレンジ色に輝く太陽が昇ってくる。
ひさびさに見るきれいな朝焼けだ。

間ノ岳方面を見ると「あれ?富士山?」
シルエットは完全な富士山。
「だけど・・・なんか・・・・低いなぁ〜」
そう、なんか富士山の方が低く見えるんで、違和感があるんですが、やはり確実に富士山。
「肩ノ小屋」から北岳と富士山とのセットで写真を撮りたいけど、すでに富士山の下にはガスが沸き始めているので、「肩ノ小屋」に着く頃には、富士山はガスに巻かれていそうだ。

「中白峰」からは「北岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳」がパノラマ状で見られる。
写真にも1枚で南アルプス三大巨頭が納まるので、これはなかなか絵になる。

数枚写真を撮ると、フィルムが終わったのでフィルムを交換。
・・・ゲゲッ!!フィルムが全部巻き戻っていない・・・
カメラの蓋を開けると、フィルムがまだカメラ側に巻きついている。
急いで蓋を閉めようとするが、フィルムのたるんだ部分が飛び出して、なかなか蓋が閉まらない。
しかたなくフィルムを取り出し、たるんでいる部分を手動で巻き戻し、蓋を閉められるようにして、巻き戻す。
「もうダメだ・・・感光した・・・昨日から撮ってきた写真が全部パーだ・・・・」
「大樺沢の雪渓も・・・肩ノ小屋からの北岳も・・・・北岳山頂からの間ノ岳も・・・全部パーだ・・・」
このカメラ、フィルムが終われば自動的に巻き戻してくれるのですが、当然、スイッチが入っている状態で起きる動作。
写真を撮り終われば、すぐカメラのスイッチを切るクセがついているんで、フィルムが終わり巻き戻っていることはわかっていたのに、自然に指がスイッチを切ってしまっていたんですね、巻き戻している途中で・・・
しばらくは立ち上がれないほどのショック。
今日この後同じコースを通るので、天気が良ければ同じような写真が撮れるけど、この時間帯ですでに雲が多め、所々でガスが沸き始めている、そんな空の様子を見たら、これから天候が崩れていきそうなのはあきらか、それにフィルムがあと1本しかない。
・・・やっちゃたのはしかたない・・・・あきらめるしか・・・
気持ちも足取りも重く、間ノ岳に向けて歩き出す。
(帰ってきてからダメもとで現像に出したら、肩ノ小屋〜北岳方面から昇る朝日までの8枚がダメになってました。思ったより被害が少なかった、でも良い景色を撮ったつもりの写真だったけど)

「中白峰」から見た間ノ岳山頂までは、2つのピーク超えと間ノ岳山頂への上りを覚悟していたが、歩いてみれば、2つのピーク越えはなく、2つ共、巻き道のような登山道を歩く。
ところどころ細い道や、険しい道もあるので慎重に。

一度、小高い尾根に上り、もうひと上りすれば、間ノ岳山頂に着く。
山頂は広く、農鳥岳や三峰山への分岐もこの山頂。
中央アルプス方面、荒川岳や赤石岳等、展望は360度。
富士山もまだまだ見える。
しかし富士山が低いなぁ〜。
だんだん山頂が混み始めた頃、「北岳山荘」へ戻る。

間ノ岳へ向かっているときは気づかなかったが、「中白峰」へ向かう途中の険しい斜面には、高山植物がたくさん咲いている。
「中白峰」から「北岳・甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳」のパノラマを楽しみながら「北岳山荘」へ着くが、「北岳山荘」には寄らず、素通りして北岳山頂を目指す。
昨夜、小屋での夕食の時間、小屋の人が「明日、間ノ岳を往復する人は、荷物を小屋に置いて往復してもかまわないですよ」と言っていたけど、自分はザックを背負って往復してきた。
なにがあるかわからないからね。

さぁ、昨日、北岳から下っているときにへこんだ登山道を登ります。
きつ・・・・・
間ノ岳への登りはきつく感じず、「今日は調子良いなぁ〜」なんて思っていたが、さすがに北岳への登りはきつい。
後から追い立ててくる人もいないので、ゆっくりゆっくり山頂を目指す。

振り返り間ノ岳方面を見てみれば、山頂がガスに覆われ始めている。
これでは、農鳥岳へ縦走する人たちは、ガスの中の登山となって景色がないだろう。
とそんな心配をしたが、まずい、北岳もガスに巻かれ始めてきた。
これでは北岳からの写真は無理か・・・

山頂に着いた時には甲斐駒ヶ岳が見えず。
仙丈ヶ岳もガスに覆われ始めている。
いや、これは北岳がガスに覆われ始めているんだろうか?

山頂は「白根御池小屋」か「肩ノ小屋」に宿泊した人達だろう、混雑している。
時間には余裕があり、うまくベンチに座れたので、すこしガスが薄れるまで待つ。
北岳山頂からの写真が欲しい、昨日よりは条件悪いが、少しでも良い状態での写真が欲しい。
しかし残念ながら写真はあきらめ、足取り重く山頂を下る。

「肩ノ小屋」の建っている尾根を境にして、右側にガスが沸き、左側にはガスが沸いていない。
昨日も同側からガスが沸いていたので、ガスが沸く側は決まっているんだろうか?

このあたりからすれ違う登山者が増えてくる。
さすが夏山、特に家族連れが目立ち、5・6歳くらいの子供が、北岳山頂を目指す、このきつい登りを上がっているのには驚き。
落石しやすい下りなので、慎重に下りないと危険。

「肩ノ小屋」にも登山者がたくさん。
残念ながら「北岳」はすっかりガスの中。
写真が・・・

混雑している「肩ノ小屋」を素通りし、ガスの中、「小太郎尾根」との分岐に到着。
ここで年配の夫婦とすれ違う。
「あそこを上れば肩ノ小屋ですか?」と聞かれたが、「いえ、あと3つほど超えないと着かないですよ」と答えると、「まだ先なのか」といった表情。
だいぶ疲れている様子で「これはあと1週間かかりますな」と。
「(笑)なんせ、日本で2番目に高い山ですから」

こういう時って本当のことを教えてあげたほうがいいですよね。
それとも「あそこを超えれば、もうすぐ肩ノ小屋ですよ」って言ったほうがいいですかね?
このあとも2・3組に「小屋はまだですか?」と聞かれた。

「小太郎尾根」との分岐までは、昨日も通ってきた登山道。
ここから「白根御池小屋」を経由して、広河原まで下る。
すっかりガスに巻かれ、カメラはザックの中へ・・・・・・

「右俣コース」と同じで「草スベリ」もフラワーロード。
右も左も高山植物。
花の名前を知って入れば、とっても楽しめるコース。
しかし、眼下に「白根御池小屋」が見える所から、「草スベリ」と呼ばれる急な下りの始まり。
道が砂利道で滑り、幾度と足元が滑る。
へたにゴールが見えているだけに、まだまだ続くのがわかっていてつらい。
下りでも大変なんで、登りはもっと大変だろう。
「小屋はまだですか?」と聞いた人達は、きっとここを登って来たんだろうな。
ここは大変だわ。

「草スベリ」を下っているときは見えなかったが、「白根御池小屋」に着いてみれば、小屋側には工事車両や資材が置いてあり、雰囲気ぶち壊し。
「北岳山荘」で同部屋になった人に、「「白根御池小屋」は新築中で、昨日泊まったときはバラック小屋に2人1組の布団で寝かされた」と話を聞いていた。
これを知らないで、ここに泊まりに来た人は、どう思うんだろう。
ま、仕方ないといえば仕方ないが、確か1991年にも新築したんじゃないかなぁ?地図に書いてある。
雰囲気が壊れるので、工事現場が見えなくなる「白峰お池」近くで休憩」。
あらためて「草スベリ」を見上げてみれば、これを登るのはきついなぁ〜。
へたに先が見えるだけ、よけいにつらい。
休憩している間に2・3組の人が下ってきたが、皆、ここにテントを張っている人達だった。
朝、ここを上がり、北岳へ行ってきたそうだ。
「草スベリ」を往復した人の感想は「さすがに下りは早いね」

小屋の受付小屋と従業員の小屋だろう、その間から広河原へ向かう樹林帯の登山道が始まる。
最初は横に向けて歩くなだらかな下りだが、しばらく歩けば、急降下のような、広河原までへの下り開始。
花もなくなり、ときどき木々の間から望める山頂付近は、すっかりガスに巻かれている。
日焼けした顔や腕がヒリヒリするので、ときどき横切る沢の水で冷やすと気持ちいい。

やはり登りは、景色もあり、開放感があるので「大樺沢」の方が正解かな。
下っている間、数組の登山者とすれ違ったが、この時間帯では「白根御池小屋」に宿泊のようだ。
やはり「「白根御池小屋」まではどれくらいですか?」と何回も聞かれ、正直に、あとどれくらいですよとは教えてあげたが、「「白根御池小屋」は新築中ですよ」と余計な事は言わない。
しかし、すれ違った人数を思えば、今日も2人1組の布団だな・・・・・

「大樺沢」と「白根御池小屋」「広河原」との分岐で急な下りも終わり。
「広河原山荘」に無事到着し、時間もあるのでコインシャワー&ビールに心惹かれたが、甲府駅での銭湯まで我慢。
甲府駅まで行くバス停へ、予定通り、発車1時間前に到着。
ザックを1番前に置け、座席は確保。
バス停であるテントのベンチに座り、涼風の中、靴を脱いで靴下脱いで、足を開放させ、バス乗車時間まで待つ。

甲府駅そばにある「銭湯」を、今回はきちんとチェック。
「仙丈ヶ岳」の時は交番で知らないと言われ、「甲斐駒ヶ岳」のときはあきらめて遠野へ。
しかしネットで調べたら「銭湯」のHPはないけど、行った人のHPを発見。
住所、電話番号、だいたいの場所を地図で調べておいたので、甲府駅に着いたら銭湯へ向かう。
おおまかな地図だったので少し迷ったが、無事見つけられ、入ってきました。
番台のおばちゃんも愛想が良く、登山の格好をしていても嫌な顔せず、気さくに話しかけてくれました。
これで南アルプスへ来たときの、汗を流せる場所が確保でき一安心。



簡単な行き方を。
甲府駅から甲府市役所へ向けて大通りを進み、甲府市役所を過ぎた信号を左へ曲がる。
交差点を4・5個(ちょっと曖昧です)過ぎた、次の交差点にガスリンスタンド、右を見れば「水上医院(看板はたぶんなかった、入り口近くの壁に「水上医院」の文字。ちょっと見難いので注意)」がある交差点を「水上医院」のある右へ曲がる。
「水上医院」の隣に、引っ込んだ形で「竹の湯」があります。

料金400円/甲府駅から歩いて15〜20分




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