薬師岳・観音岳・地蔵岳の三山を称して鳳凰三山。
三山とも花崗岩により白い山頂を持っている。
奇岩が多く奇岩を代表する地蔵岳にあるオベリスクは鳳凰三山のシンボル的な存在。
南アルプスを代表する山々を眺めるには最高の山.........................................だと思う。
【月   日】2002年09月09・10日
【天   気】1日目:晴れ時々曇り
【天   気】2日目:ガス時々晴れ
【季   節】
【場   所】南アルプス
【標   高】薬師岳 2780m
【標   高】観音岳 2840m
【標   高】地蔵岳 2764m
【山行形式】薬師岳小屋泊
【風   呂】御座石鉱泉

【交通】
【行】五反野駅〜新越谷駅
【行】南越谷駅〜西国分寺駅
【行】西国分寺駅〜高尾駅
【行】高尾駅〜甲府駅
【行】甲府駅〜夜叉神峠バス停
【帰】御座石鉱泉〜穴山駅
【行】穴山駅〜高尾駅
【行】高尾駅〜新宿駅
【行】新宿駅〜上野御徒町駅
【行】上野駅〜北千住駅
【行】北千住駅〜五反野駅
【コース】
【1日目】夜叉神峠〜杖立峠〜苺平〜南御室小屋〜薬師岳小屋
【2日目】薬師岳小屋〜薬師岳〜観音岳〜アカネケサワノ頭〜地蔵岳〜鳳凰小屋〜燕頭山〜御座石鉱泉
【水補給】
・夜叉神峠バス停(今回?は出なかった)
・南御室小屋
・鳳凰小屋
【食料補給】
・夜叉神峠バス停側(今回は休業中)
・薬師岳小屋(缶詰)
・鳳凰小屋(未確認)
・やはり登山は平日だな
祭日は混雑していると言うことで、よほどのことがない限り、山へは行かないが、今月、泊まりで山へ行けるチャンスは今週しかない、と言うことで予定をしていたが、天気予報でなかばあきらめていたところ、日曜日になって天候が不安定ながら晴れるとの予報。
天気予報を信じて、前回の甲斐駒ケ岳から見た鳳凰三山が印象に残っていて、鳳凰三山からの甲斐駒ケ岳の写真を撮りに、鳳凰三山へ行く。
さすがに8月と違って9月になると、甲府駅前の広河原へ行くバスを待っている登山客は、前回8月の甲斐駒ケ岳の時と違って、12・3人程。
バスも定刻どおりに発車し、曇り空の中を広河原へ向って進む。
二人用の座席に座り、ザックを隣において置けるほどの余裕のあるバスから見る景色は曇り空。
先月は車窓から甲斐駒ケ岳がはっきりと見えたのだが、今回は見えない。
メインの稜線歩きは明日なので、明日さえ晴れてくれれば今日は雨が振ってくれてもかまわない。
1時間ほどで夜叉神峠入り口に着き、下車したのは僕を入れて3人。
登山道の登り口に蛇口のついた水場があるが、蛇口をひねっても水は流れてこない。
涸れてしまっているのか、たまたま出ないのか、あてにはできない。
登山口に看板があり、宿泊予定の南御室小屋は定員15名なので予約して欲しい、と書いてあったが、何とかなるだろうと思い、予約はしていない。
・明日に期待
樹林帯の中、夜叉神峠を目指す。
足慣らしにしては少々きつい登りが続く。
何年か前に高谷山へ行ったときに登った道だが、すっかり忘れている。
高谷山と夜叉神峠との分岐に水場があったのを思い出したが、分岐から10分か20分程かかるので、今回も行く気はない。
夜叉神峠からは雲に覆われていて景色はない。
ここから白峰三山の景色が良いらしいのだが、前回の高谷山のときと同様景色はなく、何回目でここから景色が見られるようになるのだろう。
夜叉神峠小屋はしーんとしていて入りづらいし、景色は見えないしで、軽く休憩して杖立峠を目指す。
相変わらず樹林帯の中を歩くが、だんだんと霧が濃くなってきて先も見づらい。
登りの傾斜も増してくるし、景色も何もないしで、「明日、あした」と思いながら歩いている。
それにしてもザックが重く感じる。
汗も滝のように流れ、左足の付け根の間接も痛くなってきた。
どうも夏の山登りは、仕事柄クーラーの中にずっといるせいか、膝などの間接が痛む。
入念に準備運動をするのだが。
だましだまし歩く。
・俺って健脚?
夜叉神峠から、1時間ちょっと歩くと杖立峠に着く。
あれ!
夜叉神峠から杖立峠までは、地図で2時間と書いてあるのに、こんなに早く着いてしまった。
先に到着していた人も、自分の時計が狂っているのかと思って、僕に時間を聞いてくる。
地図を開いて見てみれば、ここは杖立峠の標識があるだけで、本当の杖立峠はまだ先なのだそうだ。
しかし本当の杖立峠は、どこにあるのかわからずに通り過ぎてしまった。
少しずつ木の数が少なくなってきて、展望が開けている場所が所々にあるが.....................。
あれ!
もう苺平に着いた。
杖立峠から苺平まで地図では2時間かかるはずなのに、1時間30分程で着いてしまった。
足をだましだまし使って歩いていたので、ペースも速めではない。
夜叉神峠から苺平まで地図では、4時間かかるはずなのに、2時間35分で着いてしまった。
1999年度版の地図だからなのか?
HPで南御室小屋と薬師岳小屋のHPを見ると、4時までに着いて欲しいと書いてあったので、地図で計算すると、夜叉神峠入り口から南御室小屋まで5時間40分かかる予定だったので、10時30分に出発して、ぎりぎり4時までに南御室小屋に着けるな、と思っていたのだが、この調子なら薬師岳小屋まで行けそうだ。
何もない苺平を通り過ぎると、南御室小山ではなだらかな道になる。
10分おきにあと何分で南御室小屋まで、と看板が木にぶら下がっている。
こういうのを見ると、なんとなく良い小屋なのかな、と思ってしまう。
・1時間稼げた
南御室小屋は、定員15名とは思えないような、広い小屋に見えた。
近くに水場があり、テント場もある。
この小屋で薬師岳小屋に宿泊する人は受付をする。
受付と言っても、小屋の外に置いてある紙に名前、宿泊形式、食事の有無を書くだけ。
あとで連絡が行くのだろう。
薬師岳小屋に水はないので、ここで家から持ってきた水道の水と入れ替えて、薬師岳小屋へ向う。
1時間程で着くのだが、これで明日がぐんと楽になる。
だんだんと高い木がなくなり、森林限界が近づいてくる。
稜線に出れば、登山道の土が白に変わる。
奇岩がたくさんあり、岩の間から白い薬師岳と観音岳を、ガスの晴れ間から見ることができた。
シャッターチャンス。
早く撮らないとまたガスに巻かれてしまう。
一瞬のシャッターチャンスをものにすると、すぐに薬師岳と観音岳はガスに巻かれてしまった。
少し先に進めば下に、薬師岳小屋の屋根が見えてくる。
宿泊手続きをして、寝床の準備が終わると案内される。
最終宿泊者は、僕を入れて7人。
ゆったりしている。
夕食前に薬師岳へ向うと、空がほんの少しオレンジ色に染まり、観音岳がちょっとの間だけ姿を見せてくれた。
夕食は水がないせいか、さみしい食事内容だった。
自炊をおすすめします。
・必殺武器登場
寝る前にビールを飲んで、7時には寝床へ。
少しうとうとするが、隣の人のいびきでなかなか眠れない。
ここで秘密兵器、耳栓が登場。
前回の八ヶ岳の教訓から耳栓を購入し、今回初めて持ってきたが即活躍。
耳栓の威力は絶大。
うまく奥まで差し込めれば、いびきが気にならない程度まで聞こえなくなる。
横になって寝て、片耳を枕に押し付け、片耳に布団をかければ、いびきはぜんぜん聞こえなくなった。
持って来て良かった。
小屋泊まりには必需品となった。
でも相変わらず眠りは浅い。
夜中、トイレに行くとき空を見上げると、真上には星が輝いていた。
・また来いということか
天気が良ければ早めに小屋を出発する予定だったが、あいにくとガスっている。
ちょっとこの状態では、太陽が出てくればガスが晴れるということはない感じだ。
ハイライトの稜線歩きは、真っ白けのなかを薬師岳や観音岳の山頂を踏む。
どこを歩いてもガスの中では同じに思える。
昨日痛かった関節は痛みを感じず、ザックも軽く感じる。
ザックの重量は昨日とそんなに差がないのだが、やはり慣れなんだろう。
今回は甲斐駒ケ岳の写真を撮ることを楽しみにして、普段は持ってこない75mm〜300mmのズームレンズを持ってきたのに、ただの重い荷物と化して、ザックの中に入ったままだった。
しかし、何も見えず真っ白の中を歩くということは、とても不安。
登山道は一本道なのだが、自分が思っていた方角と違うほうに進むということになると、この登山道は違うのではないかと思ってしまい、何回もザックをおろして地図とコンパスを出していた。
特に観音岳からアカヌケ沢ノ頭と、鳳凰小屋との分岐まで行く登山道は、今まで稜線歩きだったのに突然、樹林帯の中の下りに変わったときは、間違ったんではないかと少しあせった。
これから向う山が見えていれば、安心して進んでいるのだろう。
鳳凰小屋との分岐からは、少し岩登りを強いられる。
・これを見れてちょっと満足
ここを登りきると目の前に、アカヌケ沢ノ頭と地蔵岳のオベリスクが、ガスの切れ間から姿を見せてくれた。
今まで何も見ていなかったので、これには感動。
白い山容のアカヌケ沢ノ頭と、右手に塔のように立っているオベリスク。
鳳凰三山を象徴するといってもいいオベリスクを、ガスが再びかかる前にシャッターを切っておく。
アカヌケ沢ノ頭を登っている間は、なんとかガスが切れていてアカヌケ沢ノ頭を見ながら登っていくが、周辺の景色はガスに巻かれている。
アカヌケ沢ノ頭に着く頃には、再び真っ白いガスに巻かれてしまった。
アカヌケ沢ノ頭では、オベリスクが現れるまでと思い大休止していたが、結局、ガスが晴れることはなかった。
ここから2・3分下ると地蔵岳の山頂を示す標識が立っているが、山頂らしい雰囲気がなく、ただの通り道に思えた。
せっかく来たのだからオベリスクまで行こうと思っていたが、この真っ白の中では次回の楽しみにとっておこうと思い直した。
砂道のような歩きやすい登山道を下っている途中、振り返るとガスが一瞬晴れてオベリスクが顔を出した。
遠くから見ると感動的だが、近くで見るとただの岩みたいで感動がなかった。
・なんでこう抜けているんだろう
樹林帯歩きに変わり、鳳凰小屋が見えてくる。
鳳凰小屋はこれまでの2つの小屋よりも立派な造り。
小屋の人が椅子に座り、読書としゃれこんでいる。
退屈なのか頻繁に話かけてくる。
青木鉱泉へ下ろうとすると小屋の人が、青木鉱泉からバスは平日通っていないよ、と教えられる。
えっ!まさか!そんな!
事前にきちんと調べてきたよ。
HPで調べて、バスの時刻もきちんと書いてきたし、料金だって.................。
でも小屋の人が言うことだし。
さらに昨日、青木鉱泉は営業していなかったとも言った。
もし今日もやっていなかったら、風呂にも入れない。
御座石鉱泉へ下ることをすすめられた。
地図を見ると時間も、御座石鉱泉へ下るほうが早いし、地図には燕頭山までの2時間の登山道はなだらかな道、と書いてあったので、それに魅かれて御座石鉱泉まで下ることにした。
しかし少し進んだが、予定を変えることにためらいを感じ、小屋の人の言うことにもすこし疑問を感じ、地図を見てもう一度考え直してみようと地図を見てみると、青木鉱泉からのバスの時刻表が、地図と一緒の小冊子に書いてあると載っていたので見てみると、小屋の人の言うとおり、9月は土日祭日と月曜日しか青木鉱泉までバスは行かないと書いてあった。
8月と10月は毎日通っているのだそうだ。
やはり小屋の人の言うことは正しいと解り、勧められた御座石鉱泉まで下ることにした。
景色も何もない樹林帯の登山道だが、確かに、なだらかな道で歩きやすい。
燕頭山山頂は一部分だけポッカリと開いていて、天気が良ければ眺めが良いのだろう。
燕頭山からは、今までの借りを返すように急な下りが続く。
ここから登ってくる登山者2組とすれ違ったが、ひいひい言いながら登っている。
あまり登りには使いたくないほど急。
西ノ平からは恋しかった登りが現れ、再び下りがはじまれば、下に御座石鉱泉が見えてくる。
・至福を味わえず
御座石鉱泉もバスが通っていないので、誰もいないのかしーんとしている。
宿の人が声をかけてきて、タクシーではなく宿の車で駅まで行ってくれるという。
しかし料金はタクシーと同じ。
御座石鉱泉から韮崎駅までは、6100位かかると何回も看板で見てきたので覚悟していたが、御座石鉱泉に出る前の登山道にあった看板に、穴山駅までなら4500円位と書いてあったので、穴山駅とは何線なのかわからなかったが、穴山駅まで行ってもらうことにした。
聞いてみると、JR線ということだけわかった。
穴山駅は韮崎駅と同じJR中央本線で、韮崎駅を茅野駅方面へ行った2つ先の駅だった。
電車賃は韮崎駅と同じだったので、穴山駅にしてよかった。
鉱泉に入って、汗を流して送ってもらった。
さっぱりした後の至福の一杯を飲みたかったが、予想外の出費なので仕方なく我慢。
車の助手席に座り、運転手さんと1対1だったので質問されまくりで、駅までの50分間ずっとしゃべりっぱなしだった。
あまりおしゃべりなほうではないので、山より疲れた。




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