青森・秋田・岩手の3県にまたがる「十和田八幡平国定公園」。南の「八幡平地域」を八幡平から裏岩手連峰を縦走。大半は木や草に覆われた登山道だが、八幡平3大展望地と呼ばれる茶臼岳・源太森・畚岳からの眺望は見事。随所にある湿原や沼、避難小屋に温泉と楽しみが多い。
【月   日】2001年10月15・16日
【天   気】1日目/晴れ
【天   気】2日目/晴れのち曇り
【季   節】
【場   所】東北
【標   高】1613m
【山行形式】避難小屋泊
【風   呂】松川温泉「松川荘」

【交通】
行/上野駅〜盛岡駅
行/盛岡駅〜茶臼口
帰/松川温泉〜盛岡駅
帰/盛岡駅〜上野駅
【コース】
1日目/茶臼口〜茶臼岳〜
1日目/黒谷地湿原〜源太森
1日目/陸雲荘
2日目/陸雲荘〜畚岳〜
2日目/諸桧岳〜嶮岨森〜
2日目/大深山荘〜大深岳〜
2日目/源太岳〜松川温泉


・お得な切符「たび割7切符」
紅葉は東北というイメージから、JRの「たび割7切符」を使って岩手八幡平へ。
朝早い新幹線の指定席は満席。しかし仙台駅で3分の2近くは降り、席がけっこう空いたまま終点盛岡駅に到着。
北口を出て4番のバス停へ。接続がよく20分ほどでバスが来るが、新幹線を降りてすぐに行ったのに20人近く並んでいる。
バスの到着時間が近くなるにつれて後ろにも並びだし、50人近くバスを待っている。「こりゃぁ、1時間30分間、混雑したバスになるなぁ」と思っていると、バスが着てみればバスに乗ったのは15人程。他の人はツアー団体のようで他に専用バスがあるようだった。
八幡平温泉郷が近づいてくると、バスの車窓に紅葉が映ってくる。八幡平温泉郷は今が紅葉真っ盛り。
何もない茶臼口バス停で降り、茶臼岳へ向かう。

・大展望の茶臼岳
足慣らしにはちょっときつい登りを進むと、右手に八幡平温泉郷をつつむ紅葉が下に見える。温泉郷より上は紅葉する木がなく、紅葉の中を歩くということはなく残念。
30分程歩けば、雪を想定してか床を少し高めに作ってある茶臼山荘があり、そこから5分程で茶臼岳山頂に到着。
ここからの眺望はすばらしく、大休止しなければもったいない。
・展望台から見るだけの湿原
黒谷地湿原への道は緩やかだが、石がゴロゴロとした歩きにくい道。ほとんどが樹林帯の中を歩くので景色はなく、湿原に着くとやっと目の前に景色が広がる。
湿原の中を通る木道などはなく展望台から眺めるだけで、この時期は花も咲いていなく見るものがなく、長居しないですぐ近くの水場で水補給して出発。

・八幡沼全景を見下ろす

源太森へも樹林帯の中、石がゴロゴロする道を行く。
たいしてきついところもなく、安比岳分岐を超えると源太森山頂を示す標識があり、そこから1・2分で源太森山頂に着く。
八幡沼の火口湖の景観が広がり、今夜の宿「陸雲荘」の赤い屋根が見える。

・いい場所にある今夜の宿
あいかわらずの樹林帯を抜け出ると、湿原をとおる木道に出る。
木道は湿原を1周できるようになっていて、八幡沼を見下ろせる展望台もある。展望台から5分ほどで八幡平山頂へ着くが、木に囲まれれた展望台があるだけでつまらない。
駐車場が近いので観光客がたくさんいるが、4時を過ぎれば誰もいなくなる。
小屋は沼の側にありいい場所にある。
宿泊者は平日らしく自分1人。

・やべ、寝過ごした
8時に寝たのに起きたのは7時近く。窓から光が差しているので驚いた。
予定では4時半頃起きて、5時半には出発だったが思いっきり寝坊した。いつもは時間までまだかまだかと、うとうとしているのに。
急いで仕度をして出発。
雲が多いが空気がすんでいるので昨日は見えなかった早池峰山や・・山が見える。
10分程でレストハウスに着く。ここからの眺めもいい。
岩手山・秋田駒ケ岳・乳頭山・早池峰山・鳥海山・畚岳(もっこだけ)。ここをいれて4大展望地にしてもいい。
車道を藤七温泉方面へ向かうと裏岩手連峰登山道への入り口があり、目の前にはおむすびのように畚岳がどんとある。
畚岳山頂は3大展望地の名に恥じぬ眺望。北側には八甲田山が見えた。
諸桧岳へ黙々と
諸桧岳(しょかいだけ)への分岐から諸桧岳方面を見ると、景色の良さそうな登山道に見えるが、実際はほとんど樹林帯の中を歩くので景色はない。
本日は風が強く、山頂では風がびゅうびゅう吹いているが、林の中は静かなので助かる。
諸桧岳山頂は木に囲まれていて景色はないが、少し先へ進むと展望が開けるのでそこで小休止。


・山頂の形と漢字の形がぴったり。
再び樹林帯の中を歩いていると、石沼という沼に出る。沼というよりは湖というような。沼という澱んだ雰囲気はなくさわやかな沼。
さらに樹林帯の中を進むと切り立った所に出て、ここからの景色がいい。少し休憩するには斜面がきついが、久しぶりの景色なのでここでコーヒータイム。
先には嶮岨森(けんそもり)が見える。山の形を見てこの漢字を使ったのではないか、と思うようなギザギザした山の形。
しかしそれはだまし山頂で、そこに着くとまだ先があり、それもだましで3回目にして山頂に着く。そこもギザギザの山の形。
嶮岨森山頂に着くと秋田駒ケ岳の山頂が雲に覆われ始めている。岩手山も危ない。
寝坊しなければ、、、。

・大深岳から三ツ石山が楽しそう

大深岳へ向かう途中に大深山荘がある。ここも避難小屋だが、作りは今までの小屋と変わりないが、中は窓は割れているのかビニールシートで補強してあり、入り口のドアは蝶番がひとつ外れていて、ドアの開け閉めが大変。
水場もあるが小屋から30分程かかるらしい。
1日目に裏岩手連峰から登り、ここに泊まり烏帽子岳へ行って、裏岩手連峰完全制覇しようと思ったが、ここに泊まるにはちょっと。
松川温泉への分岐から10分程歩くと大深岳山頂に着く。ここは木に囲まれていて景色は良くないが、もう5分程歩くと視界が開け、三ツ石山への道が続いているのが見える。休憩にはここがいい。
・あぁ岩手山が、、、
先ほどの分岐まで戻り、源太ヶ岳へ向かう。
ここから景色を見ながら歩ける。しかし岩手山にも雲がかかりはじめた。
源太ヶ岳山頂からは岩手山が正面にあり、下のほうは紅葉と松川温泉が見え、岩手山と紅葉という写真が撮れるのだが、岩手山は3分の2が雲に隠れてしまい、写真は撮れなかった。
寝坊しなければ、、、。


・松川温泉付近は紅葉おしまい
刈り込まれた道を下り、だんだんとまた樹林帯の中を下る。
けっこうぬかるんだ道が多く、靴底に泥がつき靴が滑る。
水場を超えた所からだんだんと紅葉している木が現れ始めるが、松川温泉付近紅葉はもう終わり。鮮やかな紅はあまり見られなかった。
3時のバスがあると思ったのになく、次のバスは5時。
3時間近くあるので2箇所の宿の温泉に入ろうと思い、1箇所目のお風呂を出て休憩していると、山登りの好きなおじさんに声をかけられ5分ほど話す。
2箇所目の宿のお風呂に向かって歩いていると、先ほど話をしたおじさんが車で盛岡の駅まで送ってくれるとのこと。ありがたく載せてもらい、バスなら1時間半かかるところを高速道路で行ってくれたので、1時間もかからないで盛岡駅に着いた。
寝坊したおかげかなぁ。


八幡沼の側にあり、絶好の場所にポツンと建っている。
花の咲いている時期や緑の湿原のときは絵になるような小屋だが、冬枯れの湿原の中には少しさみしそう。
中は無理やり2階にしているような感じ。
トイレも中にありきれい。
食事のしたくは調理場でとのことだが、水があるわけではなく、ただステンレス仕上げの場所があるだけ。
サンダルが置いてあったのが助かった。
食事メニュー
(夕食)
ご飯・味噌汁
・マーボ春雨・回鍋肉
・ビール・さきいか
(朝食)
・おにぎり・コーンスープ
陸雲荘 寝床(右奥は2段立て)
ストーブ付き 調理場

茶臼山荘 茶臼山荘の中

大深山荘 大深山荘の中


・お風呂
松川温泉松川荘
料金は400円
貴重品を無料で預かってくる。
内風呂と露天風呂があるが、中ではつながっていなので廊下を横切る。
温泉の色は白濁で硫黄のにおいはきつめ。温度はちょうどいい。
頭や体を洗うのは少し難しく、カランの前で頭や体を洗い、別の場所に上がり湯をかける所があるので、そこで泡を流す。なぜならカランからは水しか出ないから。
こういうところでは洗い方が難しい。
地元の人のやり方を見て勉強。
ここの宿は露天風呂がいい。ひょうたんのような形でけっこう広い。少しだけ屋根があり、くつろげる雰囲気がある。

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